基本的にどのようなゴミでも回収してくれる不用品回収業者は、日本各地にあります。
優良業者が大半な半面、悪徳業者も一部潜んでいるのも事実です。

悪徳業者を利用しないためには、不用品回収業に必要な認可を受けているかどうかチェックしましょう。
今回は不用品回収業に必要な認可として、どのようなものがあるかについて紹介します。

不用品回収に必要な認可とは?

一般的に優良な不用品回収業者は、以下で紹介する認可を得ているはずです。

1.古物商
2.一般廃棄物収集運搬業
3.産業廃棄物収集運搬業
4.遺品整理士

この4つの資格とは、どのような認可なのかについて解説します。
きちんとした業者であれば、以上の認可を受けていることについてパンフレットやホームページに明記されているはずです。
こちらをまずは確認しましょう。

1.古物商

不用品回収サービスを行うにあたって、必須の認可が古物商許可です。
古物商許可とはリユースやリサイクルできる不用品の買取や販売、リサイクルショップに買い取ったものを卸す際に必要な認可です。

ほとんどの不用品回収業者は、引き取った不用品は廃棄物として処分していません。
リユースやリサイクルを目的とした二次利用するために回収しています。
よって業者選びする際には、古物商許可を受けているかどうかはしっかり確認しましょう。

2.一般廃棄物収集運搬業

一般家庭で不用品を回収して廃棄するのであれば、一般廃棄物収集運搬業の認可が必要です。
一般廃棄物収集運搬業の認可は不用品回収する地域の市区町村ごとに受けなければなりません。
ほかの地域の認可は受けていても、自分の住んでいる地域に関して無許可であれば違法業者になります。

市区町村のホームページにて、自治体で認可している一般廃棄物収集運搬業の一覧を掲載しています。
こちらに掲載されている業者にお願いすれば、まずトラブルなく不用品回収をお願いできるでしょう。

今後一般廃棄物収集運搬業認可を受けた業者が激増することはないと見られています。
というのも多くの自治体で新規の受付をしていないからです。
また認可を受けるための基準も法改正によって厳しくなっていることも、認可取得の困難さの背景にあります。

3.産業廃棄物収集運搬業

企業や店舗から排出される不用品の中でも、特定の20種類の品目は産業廃棄物扱いになります。
爆発性や毒性、感染性など危険性のある品目を廃棄するために必要となる認可が、産業廃棄物収集運搬業です。
産業廃棄物収集運搬業は都道府県知事の認可になります。

もし企業や店舗で産業廃棄物を処分するためには、産業廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者に委託しなければなりません。
このとき、処分ルートや手順に関するマニフェストを発行して、適正に処分されるか確認する必要があります。

産業廃棄物収集運搬業の認可を受けるためには所定のカリキュラムを受講するなど、いくつかの条件を満たさなければなりません。
申請から認可を受けるまでに3か月程度かかると言われています。

不用品回収業者の中には、産業廃棄物収集運搬業の認可だけで一般家庭におけるごみ収集を行っているケースもあります。
しかし別項で紹介したように一般家庭で不用品回収するためには、一般廃棄物収集運搬業の認可が必要です。
こちらの認可を受けていなければ、違法業者なので注意してください。

4.遺品整理士

遺品整理士とは、遺品整理士認定協会という一般社団法人が認可する民間資格です。
遺品整理士は不用品回収を営む上で必須の資格ではありません。
しかしもし遺品整理のために不用品回収を依頼する際には、資格保有者の在籍する業者を利用するのがおすすめです。

遺品整理士は、遺品の取り扱いに関する専門知識やスキルを有しています。
遺品はセンシティブなものなので、正しく取り扱ってほしければ遺品整理士のスタッフにお願いするのが無難です。

認可を受けずに不用品回収したら?

もし以上で紹介した認可を受けずに不用品回収業を営んだ場合、これは違法行為です。
どの認可を受けずに不用品回収サービスを行ったかで、ペナルティは違ってきます。

まずは古物商の認可を受けずに不用品買取やリサイクルショップに卸した場合、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金です。
産業廃棄物収集運搬業に違反し、生活環境保全などで支障の生じた場合、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、この両方に科せられる可能性があります。

廃棄物の処分は法にのっとって作業を進めなければなりません。
しかし適切に対処しなかった場合、都道府県知事もしくは市町村長から改善命令を受ける可能性があります。
それでも改善が見られなければ、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、その両方が科せられるかもしれません。

このように無認可で不用品回収を行うと、重いペナルティを科せられる可能性があります。

無認可の悪徳業者を見分ける方法について解説

以上で紹介したように、不用品回収業を営むためには各種認可を受ける必要があります。
もし無認可で不用品回収事業を営んでいる業者があれば、違法業者で悪質なサービスを行っているかもしれません。
悪徳業者に引っかからないためには、まずは必要な認可を受けているかどうか確認してください。

このほかにも、悪徳業者を見分ける方法はいろいろとあります。
もし不用品回収サービスを利用するなら、以下の項目もあわせてチェックしましょう。

1.拡声器で街中を巡回している
2.空き地にて不用品を募っている
3.「無料で回収」をしきりにPRする
4.会社概要が書かれていない
5.見積もりを提示しない
6.飛び込み営業をかけてくる

以上で紹介した特徴のある不用品回収業者があれば、無認可の可能性大です。
不当な高額費用を請求されたり、不法投棄などのトラブルに巻き込まれたりする危険性があるので注意してください。

1.拡声器で街中を巡回している

「ご家庭にあるゴミなら何でも回収いたします」このようなメッセージを拡声器にて大音量で流しているトラックを街中で見かけたことはありませんか?
このような不用品回収業者があれば、無認可の可能性が高いと思ってください。
すべてが悪徳業者とは言い切れないものの、あえて利用する必要はありません。

通常不用品回収業者はホームページを開設して、利用者を募ります。
しかし悪徳業者の場合、ホームページで事業所の場所や電話番号は公開できません。
そこで集客のために、お客様を自ら街中に出向いて見つけざるを得ないわけです。

また街中を流している不用品回収業者は、拠点を持たない可能性もあります。
問題が露見したときに事業所がなければ、足がつきにくいからです。
このような事情を考えると、街中を流している不用品回収業者は利用しないほうが賢明でしょう。

2.空き地にて不用品を募っている

空き地に「無料回収」などののぼりや看板を掲げて、不用品回収を行っている業者も要注意です。
犯罪に巻き込まれるリスクがあるためです。

空き地に不用品を持っていったところ、そこで火災が発生するといったことも時折見られます。
また持っていった不用品が山奥で不法投棄されたといった事例もあるので、利用すべきではありません。
不法投棄は処分を依頼した側も罪に問われる可能性のあることも、留意しておきましょう。

3.「無料で回収」をしきりにPRする

自宅のポストに「無料回収」というコピーのチラシが投函された経験はありませんか?
このようにやたら「無料で不用品回収」を宣伝文句に利用する業者は、無認可業者の可能性があると思ってください。
無料で不用品回収している業者も一部ありますが、不用品を廃棄するためにはコストもかかるので本来無料では成り立たないビジネスモデルだからです。

たとえば家電リサイクル法の対象品目であるエアコンや冷蔵庫など回収している業者はあります。
しかしこのような家電リサイクル法の対象品目を引き取る場合、リサイクル料を負担しなければなりません。
にもかかわらず無料で回収するとなれば、足が出てしまいます。

「無料で回収」という言葉に惑わされないように注意してください。
無料なのは運搬費だけで、輸送料やリサイクル料など別の名目で高額費用を請求されたという事例も実際起こっています。

4.会社概要が書かれていない

公式ホームページを開設していない不用品回収業者は、無認可の恐れが高いと思ってください。
今では業者の規模に関係なく、自社サイトを持っているものです。

近年ではインターネットで情報収集している人は多いでしょう。
そこで集客のために自社サイトを立ち上げ、情報発信することはもはや欠かせません。

また自社サイトを立ち上げるのは、それほど難しいことではありません。
WordPressなどを活用すれば、プログラミングの専門知識がなくても簡単な自社サイトを立ち上げられます。
それを行っていない業者は、自社サイトを立ち上げられない事情があると推測できます。

また自社サイトはあるけれども、会社概要など事業者情報の記載がない業者も無認可の可能性大です。
なにか問題が発生した場合に、責任の所在がわかりません。

会社の住所が書かれていても、それが架空の可能性もゼロではありません。
Googleマップなどを使って、実在する住所なのか念のため確認しておきましょう。

5.見積もりを提示しない

不用品回収サービスは、オーダーメイド方式と考えてください。
処分する不用品の種類や量、作業内容は案件によってまちまちだからです。
そこで通常認可を受けた正当な不用品回収業者であれば、事前見積もりを実施します。
見積書を提示して、お客様が納得したところで初めて作業開始です。

無認可の悪徳業者の手口として、見積もりを作成してくれない点も見逃せません。
見積もり依頼すると、「現場で実際に作業してみないとわからない」などもっともな理由をつけて回避しようとします。
見積もり作成を渋るのは、文書として形に残ってしまうからです。
後々高額請求しにくくなるわけです。

また見積書をチェックする際に金額だけでなく、その内訳も確認しましょう。
「○○一式」のようなあいまいな表現をしている場合、見積もり価格がいい加減な可能性もあるからです。
後で「追加料金が必要になった」などと言って、高額請求してくるかもしれません。

優良業者であれば、どこにいくらかかるのか詳細な内訳を提示してくれるはずです。
見積もり価格だけでなく、その内容もしっかり吟味してください。

6.飛び込み営業をかけてくる

無認可で悪徳業者の可能性が極めて高いのは、突然自宅にやってきて飛び込み営業をかけてくるパターンです。
このように突然家にやってくる業者は悪徳業者の可能性大です。
このような業者は、高齢者の単身世帯などにやってくるケースが多いと言われています。

判断力の衰えた高齢者に話をまくしたて、半ば強引に家財を持ち出そうとします。
よってもし「不用品はありませんか」といきなり自宅にやってくる業者があれば、毅然とした態度をとりましょう。
そして扉は決して開けないことです。

もし両親と離れたところで暮らしているのであれば、両親にも話をしておきましょう。
万が一自宅に上げてしまって、家財を持ち出されてしまったのであれば、警察への相談も検討すべきです。

不用品回収と認可に関するまとめ

不用品回収サービスを行うためには、ここで紹介したようにいくつか認可を受ける必要があります。
無認可で営業している業者があれば、違法業者です。
違法業者を利用すると不当な高額料金を請求されたり、不法投棄などのトラブルに巻き込まれたりしかねません。

また悪徳業者には、いくつか特徴があります。
ここで紹介した特徴に当てはまる業者があれば、無認可の違法業者だと思って、利用しないように心掛けてください。