日本全国に不用品回収業者があり、即日大量のゴミでも回収してもらえるとして便利なサービスと言えます。
しかし不用品回収サービスを利用するにあたっての注意点として、悪徳業者が一部いる点に留意してください。
そこでここではどのようなトラブルが起きるのか、トラブルを回避するための業者選びの注意点について解説します。

不用品回収サービスでは、基本どのようなものでも引き取ってくれるでしょう。
しかし一部回収不可のものもあるので、利用する際の注意点として参考にしてください。

不用品回収にまつわるトラブルを紹介

不用品回収の注意点として押さえておかないといけないのが、悪徳業者の存在です。
うかつに問題業者にお願いしたばかりに、無用の問題に巻き込まれる事例も見られます。

実際不用品回収に関連したトラブルは、各地にある消費生活センターに相談されています。
年々増加傾向で、2021年には2,000件を超えました。
ではどのようなトラブルが発生するのか、主な相談案件として以下のような項目があります。

1.高額請求された
2.追加料金を請求される
3.不法投棄された

具体的にどのようなトラブルなのか、以下で解説します。
読み進めていくと、結構深刻なトラブルに発展していることがおわかりになるでしょう。

1.高額請求された

「無料という話だったのに金額を請求された」
このようなトラブルはしばしば耳にします。
よく街中で「無料にてご不要なものを回収いたします」とメガホンで宣伝しているトラックを目にしたことはありませんか?

無料だと思って依頼したところ、料金を請求されるケースは少なくありません。
抗議すると「回収が無料であって、処分費は別途かかる」のようなことを言われてしまいます。
たいていすでに荷物は車両に積み込まれた後なので、引くに引けず言われるがままに料金を支払ってしまうわけです。

高額請求の問題は、不用品回収の注意点として頭に入れておく必要があります。
中には10万円や20万円といったかなりのまとまった金額を請求された事例もあるからです。
通常の不用品回収であれば、ある程度まとまった量の処分でも数万円程度が相場です。

2.追加料金を請求される

「見積もりの金額と異なる金額を請求された」
こちらも不用品回収の注意点として、しばしば紹介される事例です。
見積書を見て妥当な金額だったのでお願いしたところ、請求書の金額が高くなっているケースです。

「当初聞いていた値段と違う」と抗議すると「予想よりも回収量が多かった」などと説明します。
もっともらしい理由をつけられると、仕方ないと思ってしまう人も多いようです。
またこちらもすでに荷物を積み込んだ後のケースも多いので、言われるがままに追加費用を支払ってしまいます。

3.不法投棄された

「自分の出した不用品がどこぞの空き地に捨てられていた」
いわゆる不法投棄されたという相談案件も、消費センターにしばしば持ち込まれています。
なぜ不法投棄するのか、それは不用品を処分するのにお金がかかるからです。

たとえばエアコンやテレビなどの家電リサイクル法の対象項目は、リサイクル料が必要です。
コストがもったいないので、不法投棄してしまいます。

不法投棄は依頼した側も責任を問われることがあります。
持ち主のわかるものが不法投棄されていれば、警察から連絡が来てびっくりするでしょう。

このように不用品回収にはコストがかかるものです。
そう考えると、冒頭に紹介した「無料にて回収」は本来成立しないビジネスと言えます。

不用品回収業者選びの注意点

不用品回収業者には悪徳業者が一部含まれていて、深刻なトラブルの餌食にされる恐れがあります。
そこで業者選びをする際には、安易に依頼先を選定しないことです。
業者選びの注意点として、以下のポイントを押さえましょう。

1.許可の有無
2.複数から見積もりを取る
3.口コミを確認する
4.料金システムをチェック
5.賠償責任の有無

なぜ以上で紹介したポイントが業者選びの注意点として重要なのかについて、見ていきます。

1.許可の有無

一般家庭から不用品を収集するためには、許可が必要です。
一般廃棄物収集運搬業と呼ばれる許可です。
こちらを取得していない業者は違法で、悪徳業者の可能性が極めて高いと思ってください。

無許可の業者は先に紹介した不法投棄など、不正な方法で不用品を処分します。
無用のトラブルに巻き込まれる可能性が出てくるので、業者選びの注意点として許可の確認は怠らないでください。

では一般廃棄物収集運搬業の確認方法はどうすれば良いのでしょうか?
確実な方法は、自分の住んでいる市区町村のホームページで確認する方法です。
一般廃棄物収集運搬業の許可は各自治体で出しています。
そして許可業者の一覧をサイトで掲載しているので、こちらで確認しましょう。

2.複数から見積もりを取る

業者選びの注意点として、見積もりは特定の1つの業者ではなく複数社から取ることも大事なポイントです。
見積もりを複数取ることで、自分たちのケースにおける費用の相場がわかります。

悪徳業者は、相場よりも激安価格を提示する傾向が見られます。
激安価格を提示すれば、お客様が依頼する可能性も増えるからです。
しかしその激安価格はある意味撒き餌で、契約した後になって追加費用などを上乗せして、相場よりも割高な価格を請求するわけです。

見積もりを比較する際には、トータルの金額だけでなく内訳を確認しましょう。
内訳が詳細なところは信頼できます。
一方「○○一式」としか記載していない、内容がはっきりしない業者は悪徳の可能性が高いので依頼しないのが賢明です。

3.口コミを確認する

不用品回収サービスを利用する人も多いので、口コミサイトもいろいろと開設されています。
実際に利用した人の体験談が書かれているので、参考になるでしょう。

口コミを確認する際の注意点として、業者のホームページに掲載されている「お客様の声」だけを参考にしないことです。
お客様の声には、業者にとってプラスになるような情報しか掲載されていない場合が多いからです。
第三者の運営している口コミサイトに掲載されている意見を参考にしましょう。

ほかに参考にしてほしいのは、Googleマップです。
Googleマップにはレビューが掲載されていて、詳細なコメントも数多く掲載されています。
多くの投稿があり、おおむね高評価のレビューであれば、優良で信頼できる業者と判断できるでしょう。

4.料金システムをチェック

一般的な不用品回収業者であれば、自社サイトにて料金システムを掲載しているはずです。
料金体系を見れば、見積もりを出す前におおよそ自分の場合の金額が想定できます。
また複数のサイトをチェックすることで、各業者が相場より高いかどうかもある程度判別できるでしょう。

中には料金に関する記載が全くなかったり、あいまいではっきりしなかったりするケースもあるかもしれません。
このような業者は不当な高額費用を請求してくる可能性があるので、利用しないのが賢明です。

5.賠償責任の有無

不用品回収をお願いする際の注意点として、優良業者に依頼してもトラブルの発生する可能性はあることも覚えておきましょう。
不用品を運び出す際に落として床を傷つける、柱や壁にぶつけてしまう可能性はゼロにできません。
もちろん作業する際には緩衝材やシートを使って養生はしているでしょう。

しかしそれでも強くぶつけて傷ができる、養生していないところに落としてしまう可能性はなお残ります。
このように自宅に何らかの損害が発生した場合の保証がどうなっているかは確認してください。
そこでおすすめなのが、賠償責任保険に加入している業者に依頼することです。

保険に入っていれば、万が一家を傷つけられても修繕費用を保険金で賄えます。
業者によっては後で家の傷ついていることを指摘しても、自分たちが作ったものとはなかなか認めないところもあるようです。
相手が認めないと、自分たちで修繕しなければならなくなるので万が一の保険がどうなっているか確認すべきです。

不用品回収業者でも回収できないものもある

不用品回収サービスは、基本的にどのようなものでも回収してくれると思ってください。
しかし利用する際の注意点として、一部回収を断られる可能性もあるものも含まれている点に留意しましょう。
業者によって対応は若干異なるものの、以下で紹介するアイテムは拒否される可能性があります。

1.汚物
2.生き物
3.医療廃棄物
4.個人情報の掲載された品目
5.危険物

引き取りできないものは、業者のホームページに記載されているはずです。
依頼する際の注意点として、サイトを確認して引き取りできない不用品が含まれていないか前もって確認しておきましょう。

1.汚物

一般的な不用品回収業者では、汚物の処理はしていない可能性があるので注意しましょう。
ゴミ屋敷の片付けや孤独死した人の部屋の遺品整理をする際に、汚物が部屋の中で発生している可能性があります。

ゴミ屋敷や孤独死の部屋の片付けなど、汚物処理が必要になる際には注意が必要です。
通常の業者は対応不可でも、ゴミ屋敷や遺品整理に特化した業者であれば対応可能なところもあるでしょう。
このような業者は不用品回収だけでなく、特殊清掃まで対応している場合もあるからです。

ゴミ屋敷の片付けを依頼する際の注意点として、依頼前に部屋の状況は自分の目で確認しておくことをおすすめします。
汚物など特殊な不用品はないのか確認して、問い合わせの際に部屋の状況を説明しておくと作業もスムーズです。

2.生き物

不用品回収サービスの注意点として、ペットなど動物の処理をしていないところが多い点も留意しておきましょう。
ペットの死骸なども回収不可のところは少なくありません。
もしペットがなくなったのであれば、霊園など早々業者に依頼して火葬するなり埋葬するなりしておきましょう。

ただし一部、生き物の死骸を専門的に取り扱っている業者もあります。
このような業者が近くにあれば、一度相談することをおすすめします。
ただし生き物を生きたままで回収することはできないので、注意してください。

また生き物を勝手に遺棄することは、動物愛護法に抵触してしまいます。
ペットを飼えなくなったので処分したければ、市区町村に動物愛護に関わる窓口があるはずです。
こちらにまずは相談してみると良いでしょう。

3.医療廃棄物

注射器をはじめとして、医療器具は不用品回収業者では収集していない可能性があるのでこれも注意点の一つです。
糖尿病を患っていると、自分でインスリン注射を行っている人もいるでしょう。
また自宅療養していると、医療器具が自宅にある場合も考えられます。

医療廃棄物を受け付けていないのは、感染リスクがあるためです。
医療廃棄物の処分の注意点として、業者だけでなく自治体のゴミ収集サービスでも受け付けていない点も覚えておきましょう。
ではどう処分すれば良いのか、専門業者があるのでこちらに依頼してください。

もし処分しようと思っている品目が医療廃棄物に該当するかどうかわからなければ、かかりつけ医に相談しましょう。
医薬品関係であれば、処方した薬局に問い合わせるのも一考です。

4.個人情報の掲載された品目

個人名や企業名など、個人情報が特定できるような不用品も回収拒否される可能性があります。
個人情報漏洩の恐れがあり、業者の責任が問われかねないからです。

具体的には免許証やパスポートなど個人を簡単に特定できるものが該当します。
またCDやパソコンのハードディスクも機密情報や顧客情報などが保存されている可能性もあるため、回収を拒否されるかもしれません。
これらのアイテムは著作権や肖像権侵害につながる可能性があるのも、回収拒否される理由の一つです。

もし個人情報が含まれるアイテムを処分したければ、情報が見られない状態にしてから依頼してください。
シュレッダーにかけるなり、データを完全に削除するなどの処理をしてから依頼すれば問題なく回収してもらえるでしょう。

5.危険物

危険物とは、爆発や引火の恐れのあるものを指します。
スプレー缶やガスボンベなどは回収を拒否される可能性があるので、不用品回収サービス利用時の注意点として頭に入れておきましょう。
またガソリンや灯油など、使いきれずに余った場合も回収してもらえないので注意してください。

スプレー缶の場合、最後まで出し切ってガスが中に残らないようにしてから回収依頼しましょう。
中身を使い切ってから、穴あけをして処分するのが正しい方法です。

ただし穴あけをする際には中身にガスが残っていない状態に必ずしてください。
ガスが残った状態で穴あけした結果、スプレー缶の中身が目に入った事故も過去に起きているほどです。
また爆発する危険性もゼロではないので、風通しの良い屋外で穴あけをするのも注意点の一つです。

余ったガソリンや灯油などの廃油は、専門業者やガソリンスタンドで回収を受け付けています。
こちらに持ち込んで、処分を依頼してください。

不用品回収の注意点に関するまとめ

不用品回収業者の中には一部悪徳業者もあります。
不当な高額費用を請求されたり、不法投棄されて責任を問われたりする事例は決して少なくありません。
不用品回収業者の注意点として、安易に依頼先を選定しないことが大事です。

また不用品回収サービスの注意点にはほかにも、一部回収してもらえない品目がある点も覚えておきましょう。
業者によって回収できるかどうか対応が異なるものもあるので、前もって問い合わせておくと安心です。