不用品回収サービスは基本的に何でも引き取ってくれますし、1日でまとまった量のゴミ処分が可能なので何かと重宝します。
引越しや部屋の中を整理したい、遺品整理などさまざまな用途で活用できるサービスです。
不用品回収業者は日本各地に事業所があるものの、中には悪質な営業をしているところもあるようです。
ネットを見てみると、不用品回収業者にまつわるトラブル事例もいろいろと報告されています。
ここでは実際にあったトラブル事例と問題回避のためにどのようなことに注意すべきか紹介するので、参考にしてください。
不用品回収の主要なトラブル事例について紹介
不用品回収を利用して、問題に巻き込まれたという話もしばしば聞かれます。
不用品回収に関するトラブル事例は、日本各地の消費生活センターへ相談が持ち込まれています。
2021年度は2,231件です。
2022年度も9月末までの相談件数だけで857件を記録しました。
2021年度の同時期の件数よりも多い数字です。
2021年度は前年比25%近く増加しました。
どのようなトラブル事例があるのか、主要な以下のケースについて見ていきましょう。
1.作業終了後に案内と異なる金額を請求された
2.事前の説明と実際の料金が一致しない
3.詰め放題のはずが…
4.銀行で出金するよう強制された
5.回収したものが不法投棄されていた
6.高額品を盗まれた
具体的にどのようなトラブル事例なのかについて、以下で詳しく見ていきます。
違法性のある業者もあるので、依頼する際には細心の注意が必要です。
1.作業終了後に案内と異なる金額を請求された
このトラブル事例は、ネットで不用品回収業者を利用した人のエピソードです。
ネットで「軽トラ詰め放題○○円…」のように書かれていたので、不用品回収をお願いしました。
この人は表示の価格にはならなくても多少高くなる程度と思っていたようです。
ところが実際に依頼すると、料金が25万円だと言われてしまいました。
この人は引越しの荷造りのために業者を呼んだので、時間的猶予がありません。
仕方なく両親に連絡して、お金を工面してもらいました。
今回のトラブル事例の業者は念入りで、「クーリングオフはできない」と説明したそうです。
しかもそのような内容の書面にサインさせられて、泣き寝入りせざるをえなかったトラブル事例です。
2.事前の説明と実際の料金が一致しない
倉庫内にたまっていた不用品を処分したいと思って業者を利用したトラブル事例になります。
電話で不用品の内容を説明したところ、「2万円程度になるでしょう」と言われたので依頼しました。
軽自動車での不用品回収と聞いていたのに、実際に来たのは2トントラックでした。
トラック詰め放題の値段は車両のサイズによって変わってきて、軽トラックよりも2トントラックの方が高くなります。
そして現場での見積もりだと10万円と5倍もの高額金額を吹っかけてきました。
さすがに利用者も「最初と話が違う」とクレームを入れたそうです。
しかし「同意してもらえないのなら荷物をすべて下ろす」と言われてしまいました。
利用者はまったく納得できないものの、いまさら不用品回収してもらえないのは困ると思って全額支払ったそうです。
3.詰め放題のはずが…
不用品回収業者の料金プランに「詰め放題」と呼ばれるコースがあります。
トラックの車両ごとに金額が決まっていて、回収する不用品の量に関係なく定額です。
引越しの準備や遺品整理、ゴミ屋敷の清掃など大量のゴミが発生する場合に詰め放題にした方が安くなるのは魅力と言えます。
しかし今回のトラブル事例は、詰め放題にまつわる問題です。
親が施設に入所することになって、空き家になるので不用品回収をお願いしたトラブル事例です。
ネットで検索したところ、「一軒丸ごと不用品回収2トントラック詰め放題で5万円」というサイトを見つけました。
たしかに連絡すると、当日2トントラックで作業員がやってきました。
ところが詰め放題なのは、「荷台の囲いの高さまで」と言われたそうです。
囲いの高さはせいぜい20〜30cmなので、家の不用品すべて回収できるレベルではありません。
すべての不用品を処分できないので、その人はキャンセルすることにしました。
すると「キャンセル料として15,000円いただきます」と言ってきました。
しかも支払うまで立ち去らない勢いだったので、にっちもさっちもいかずにキャンセル料を支払ってしまったそうです。
4.銀行で出金するよう強制された
悪徳な不用品回収業者を利用すると、半ば脅迫のような形になるトラブル事例も見られます。
以下のトラブル事例は、ただお金をとられただけでなく怖い思いもしなければならないケースです。
ある日自宅の郵便受けに不用品回収業者のチラシが入っていました。
ちょうど不要になった電化製品があったので、回収を依頼しました。
最初は35,000円だったはずなのが、当日提示された金額は55,000円です。
しかも「重たくて一人では運べないので、もう一人作業員が必要」と言われてしまいます。
さらにトラック2台分必要になったと説明して、11万円支払うようにと言われました。
当初の価格よりも3倍超の値段を吹っかけられたので、「高すぎるしそもそも現金がない」と抗議しました。
しかし「近くに銀行のATMがあるから下ろせば良い」と言われてしまいます。
契約書もなかったし、金額にいまだ納得いかないので消費生活センターに相談したトラブル事例です。
5.回収したものが不法投棄されていた
不用品回収をお願いしたところ、適切に処理されずに不法投棄されたというトラブル事例は根強く出続けています。
激安価格の不用品回収業者を見つけたので、処分してほしい家電の回収をお願いしたトラブル事例について紹介しましょう。
価格は当初聞いていた話と同じで、リサイクル料金もあわせて支払って回収してもらいました。
ここまでは問題ありません。
ところが散歩しているときに近所の空き地に足を延ばしたところ、回収依頼した家電が投棄されているのを発見しました。
このように不用品回収業者が、近くの空き地などに不法投棄するトラブル事例は時たま聞かれる問題です。
不法投棄の厄介なところは、お客さん側が責任を問われる可能性のある点です。
不用品回収業を営むためには、家庭から不用品回収するために一般廃棄物運搬業許可が必要になります。
不法投棄をする業者はたいてい、一般廃棄物運搬業許可を受けていない違法業者です。
許可証の提示を求めることで、この手のトラブル事例はかなりの確率で回避できるでしょう。
6.高額品を盗まれた
「不用品回収します」と言って、自宅に上がり込んで高額そうな金品の盗難に遭うというトラブル事例も見られます。
不用品回収をお願いしたところ、自宅に上がり込んでいつしか宝石などの話になったそうです。
そして住民の目を離したすきに、宝石や指輪を盗んでいたようでなくなっていたというトラブル事例になります。
上で紹介したトラブル事例は、福岡県での話です。
福岡県では2020年に入ってから、この手の被害が50件を超えていると言います。
前年同時期と比較して、2割近く増加しているので決して少なくありません。
この手の不用品回収業者は、住人の目を盗んで金品を奪っているようです。
このため、不用品回収業者が立ち去った後で初めてなくなっていることに気づいたり、中にはなくなっていることに気づかない家庭もあります。
金品を盗まれるのは、立派な犯罪被害です。
金品がなくなっているようであれば、迷わず警察に相談することです。
トラブルに巻き込まれずに賢く不用品回収サービスを利用する方法
上で紹介したトラブル事例からわかるように、悪質な業者を利用すると高額費用を請求されるなど大きな損害を被るかもしれません。
一方短時間でまとめてゴミ処分できる不用品回収サービスは、利用次第では重宝するサービスである点もまた見逃せません。
トラブルに巻き込まれないように不用品回収サービスを利用するには、以下のポイントを押さえることが重要です。
1.見積もりは慎重にチェックする
2.契約書の内容を確認しよう
3.向こうから訪問してきたらきっぱり断る
4.トラブルに巻き込まれたら消費生活センターなどに相談しよう
それぞれ、どのように対処すれば上で紹介したトラブル事例のようなことが起こらないのかについて紹介します。
これから不用品回収サービスを利用する際の参考にしてください。
1.見積もりは慎重にチェックする
不用品回収業者を利用する際には、見積もりを忘れずにとることです。
上のトラブル事例を見てみると、見積もりらしきことを行っているケースもあります。
しかし電話でいくらと言われただけなど、口頭でしか確認していないトラブル事例も見られました。
口頭の場合、「こう言ったでしょ?」と言っても「そのようなことは言っていない」と言われてしまえばそれまでです。
見積もりをお願いする際には、きちんと書面に残すことが大事です。
悪徳業者の場合、見積書の作成を求めると嫌がる傾向が見られます。
見積書を提示しようとしない業者であれば、不用品回収を依頼しないのが賢明です。
電話などで簡易見積もりをとる場合、音声を録音しておくと良いでしょう。
現地で当初聞いていたのとまったく異なる高額料金を請求された場合、「このような話だったはずでは?」と反論できるからです。
見積書を提示された場合、追加料金やキャンセル料が発生しないかも確認しておきましょう。
こちらも口頭だけだと、後に言った言わないの水掛け論になりかねないので、見積書や契約書にその旨を記載してもらうようお願いしてください。
見積もりをとる際には、複数の業者から相見積もりをとるのがおすすめです。
相見積もりをとることで、自分たちの不用品回収の条件での費用相場がわかるからです。
相場からかけ離れた激安価格を提示してきた業者は悪徳の可能性大なので、候補から外しましょう。
少なくても3社、できれば5社程度から見積もりをとって、見積書の内容を比較すると良いでしょう。
2.契約書の内容を確認しよう
不用品回収を依頼する際には、契約書を作成してもらうのもトラブル回避の観点から有効です。
実際コンプライアンス遵守している不用品回収業者を見ると、ほとんどが契約書を作成してから作業にあたっています。
作成してくれなかった場合でもこちらからお願いすれば、契約書を作ってくれるはずです。
契約書があると、当初聞いていたことと異なる条件があれば、書面を提示して抗議できます。
よって悪徳業者は契約書の作成を嫌がる傾向が見られるので、先方が問題ない業者かの見極めも可能です。
また相手がまっとうな業者でも、勘違いや思い違いによるトラブル事例もあります。
勘違いが起こらないためにも契約書を作成し、依頼内容を書面で残すことは大切です。
一品だけの不用品回収など、些細な作業でもトラブル回避のために契約書を作成する対策は効果的です。
3.向こうから訪問してきたらきっぱり断る
上のトラブル事例の中には、こちらがお願いしていないのに勝手に押しかけてくる訪問営業は結構見られます。
訪問営業をかけてくる不用品回収業者は、悪徳の可能性が高いので基本拒否することです。
しかし中には押しの強いセールスマンもいるかもしれないので、気の弱い人だと押し切られてしまうかもしれません。
もし不用品回収業者の営業を受けたのであれば、まず玄関の扉を開けないことです。
そのうえで「不要です」とはっきりと答えることが重要です。
「無料で不用品をいくらでも回収します」のように甘い誘い文句をかけてくるのも、悪徳業者の代表的な手口と言われています。
「無料」と言われるとつい「話だけなら…」と思ってドアを開けてしまう人もいるようですが、これこそ悪徳業者の思うつぼです。
家の中にまで上がりこまれると、ますます断りにくくなります。
玄関を開けないこと、しつこく来られた場合には「警察に通報しますよ」と毅然とした対応を心掛けましょう。
4.トラブルに巻き込まれたら消費生活センターなどに相談しよう
注意して不用品回収業者に依頼したつもりでも、トラブルに巻き込まれることもあるかもしれません。
もし自分では対処しきれないと判断したら、速やかに消費生活センターや警察などに相談することです。
消費生活センターに相談すれば、どのように対応すれば良いか専門家からアドバイスが受けられます。
悪質と判断されれば、警察にそのまま通報してくれる場合もあります。
もし多額のお金をだまし取られるなど深刻なトラブル事例であれば、弁護士や司法書士への相談も検討してください。
法的措置を講じれば、被害回復も可能です。
不用品回収のトラブル事例に関するまとめ
自宅のいらないものを一気に処分できる不用品回収サービスは、何かと重宝します。
利用者数が増えている半面、不用品回収に関するトラブル事例も増加傾向です。
高額請求されたり、不法投棄されたりのトラブル事例も日本全国から報告されているので注意しましょう。
不用品回収でトラブル回避するためには、見積書や契約書などサービス内容を書面に残すことです。
悪徳業者は証拠を残すと足がつくので、このような書面を作成するのは嫌がるからです。
また依頼していないのに業者から押しかけてくる訪問営業は、悪徳業者の可能性が高いと思ってください。
玄関の扉は開けない、不要である旨毅然とした対応を心掛けましょう。