ニュースやワイドショーでしばしば特集されているゴミ屋敷状態になっている人はいませんか?
「このままではいけない」と思っていても、作業が面倒なのでずるずる先延ばしにしているかもしれません。
しかしゴミ屋敷をそのままにしていると健康面でマイナスですし、近所迷惑につながりかねません。

できれば自力でゴミ屋敷を片付けたいと思っている人もいるでしょうが、重症になると自力ではなかなか困難です。
そこでここではゴミ屋敷を自力で片付けられるかどうかの判断基準について紹介するので、参考にしてください。
自力で片付ける場合のコツについてもあわせてここで見ていきます。

自力でゴミ屋敷を片付けられるかの判断基準

まずは自力で片付けられるほどのゴミ屋敷の状態かどうか判断しましょう。
判断基準として、以下のようなポイントが挙げられます。

1.広さ
2.ゴミの量
3.水回りの使用状況
4.ゴミの種類
5.住民の生活状況

なぜ以上で紹介したポイントが自力で片付けできるかの判断基準になるのか、以下で詳しく見ていきます。

1.広さ

部屋が広ければ広いほど、片付け対象のゴミの量も多くなり、自力できれいにするのは難しくなります。
一般的に見て、3DK相当の広さまでのゴミ屋敷であれば、自力での片付けは十分できるはずです。
しかし一戸建てをはじめとして、これ以上の部屋数ですべての部屋にモノがあふれている状況であれば、業者に片付けを依頼するのが妥当です。

3DKよりも広いゴミ屋敷になると、片付けに何日もかかってしまうでしょう。
すると途中で心が折れて、放り出したくなる可能性が高いと思ってください。

2.ゴミの量

ゴミの量が多くなると、それだけ片付けの労力が大きくなります。
ゴミ屋敷の中には、天井近くまで堆く不用品が積みあがっている場合もあるでしょう。
ここまでの状態になると、どこから手をつければ良いかわからないでしょう。

しかも天井近くまで山のようにゴミが溜まっている場合、下手にゴミを処分しようとすると山が崩れる危険性もあります。
ゴミが自分に倒れかかってきて、けがしたり、最悪身動きが取れなくなったりするかもしれません。
リスクが高いので、プロの業者に片付けを依頼するのが無難と言えるでしょう。

3.水回りの使用状況

キッチンや風呂場など水回りが使用できる状況であれば、自力でのゴミ屋敷の片付けはできると思ってください。
片付けの後部屋の中を掃除する際には、拭き掃除など水が必要になるからです。
水回りの場所までゴミが邪魔して到達できない、水の出せる状態になっていなければ自力での片付けは大変厳しくなるでしょう。

キッチンや風呂場、洗面所などどれか一つでも利用できる状況であれば、自力で作業できます。
しかし水回りのどれもが利用できなくなっているのなら、ゴミ屋敷の片付け業者にお願いするのが無難です。

4.ゴミの種類

ゴミ屋敷に溜まっている物品が、ペットボトルや空の弁当箱などがメインであれば、自力だけでの片付けができるはずです。
ゴミ屋敷のハードルの一つに、捨てるものと捨てないものを区別することが挙げられます。
ペットボトルや空の弁当箱などがメインであれば、捨てるものとすぐに判断できます。
どんどん捨てていけば良いので、ゴミ屋敷の片付けに余計な手間もかからないわけです。

また洋服や本がメインの場合でも、自力だけでの片付けは十分できると思ってください。
一見するとものであふれかえっているように思えるかもしれません。
しかし洋服や本は思っているよりもかさみやすいので、見た目よりも片付けるべきゴミの量はさほど多くありません。

洋服の場合、捨てるかどうかの判断基準は簡単です。
着られないものはどんどん処分すれば、結構早く部屋の中がスッキリするのではありませんか?

本は今読んでいないのであれば、不要と判断し捨ててしまいましょう。
本はできるだけ早めに処分を進めるのがおすすめです。
なぜなら本はほこりが溜まりやすいのでダニの温床になりやすく、健康を害する危険性があるからです。

5.住民の生活状況

住人がゴミ屋敷の中で生活できている、部屋の行き来ができているのであれば、片付けは自力だけでも可能と思って良いでしょう。
もしゴミが大量にあって、足の踏み場もない、移動ができない状況であれば、そもそも作業できません。

ゴミ屋敷を見てみると、部屋で住人が生活できず、外で生活しているような物件も時折見られます。
もしこのように家の中にも入れないような状態であれば、自力だけでの片付けはあきらめるべきです。
ゴミ屋敷の片付け業者にお願いすれば、どれほどかかっても数日後には部屋の中がきれいな状態になっているはずです。

自力でゴミ屋敷を片付ける手順について理解しよう

上で紹介した判断基準により、ゴミ屋敷がまだ自力で片付け可能な状態であれば、自分で作業を進めても問題ないでしょう。
ただしきちんとした手順を踏んで片付け作業を進めないと、かえってゴミ屋敷の状態が悪化しかねません。
ゴミ屋敷の片付けの基本的な順番として、以下のポイントを意識してください。

1.まずは床に落ちているものから
2.狭い部屋の片付けから始めるべし
3.仕分けを行う
4.清掃も忘れずに

以上具体的にどのようなことに留意すべきか紹介するので、片付け作業する際の参考にしてください。

1.まずは床に落ちているものから

やみくもに片付けをしても、なかなか全体のものが減りません。
するといくらがんばっても成果が出ないので、途中で挫折しやすくなります。
そこでまずは床に落ちているものを片付けるところから始めてみましょう。

不要なものは捨てて、必要なものはもともとあった場所に戻す、この2つを意識して片付けてみましょう。
ゴミ屋敷の場合、モノが散らかっていて、床が見えなくなっているケースもあるはずです。
床に落ちているゴミを片付けて、徐々に床が見えてくると片付けがはかどっていると目に見える形で実感できるはずです。

2.狭い部屋の片付けから始めるべし

片付けをする際にはスペースごとに区切って作業を進めるのがおすすめです。
その中でもとくにおすすめなのが、便所や玄関など狭いスペースの片付けから手掛けることです。

狭いスペースであれば、どれほどものが多くてもその量もしれています。
狭いスペースから片付けて、短時間で成果が現れれば、達成感も得られるでしょう。
すると次の片付け作業のモチベーションにもつなげられるわけです。

3.仕分けを行う

ゴミ屋敷の片付け作業で欠かせないポイントとして、不用品と貴重品の仕分けがあります。
ここがうまくいかないと、いつまでたってもゴミ屋敷の片付けははかどらないでしょう。

不用品と貴重品のどちらに該当するか判断できなければ、直近1年間で使用したかで考えましょう。
ここ1年間まったく使用していなければ、今後もおそらく使用することはないはずです。

中にはそれでも捨てても良いかで迷う場合もあるかもしれません。
その場合、その場で即決する必要はないでしょう。
いったん保留にして、ほかの仕分けを進めるのが、うまく自力だけでゴミ屋敷を片付けていくために欠かせないコツです。

4.清掃も忘れずに

ゴミ屋敷のような床の見えないような状態であれば、ゴミを片付けるだけできれいにならないでしょう。
部屋の清掃をする際には、住宅用洗剤を準備しておいてください。

また汚れの種類によって、別の洗剤もあわせて用意しておくと良いでしょう。
たとえば黒ずみが水回りなどで目立っている場合、それはカビの可能性が高いと言えます。
カビには塩素系漂白剤がおすすめです。

また排水口から嫌な臭いがしている場合には、液体パイプクリーナーを用意すると良いでしょう。
床の清掃をする際には、中性洗剤を準備してください。
直接洗剤に触れてしまうと手が荒れてしまうかもしれないので、ゴム手袋を着用したうえで作業を進めると良いでしょう。

種類別ゴミ屋敷の自力片付けの難易度を解説

ゴミ屋敷と一言で言っても、いろいろなパターンが考えられます。
主な種類として、以下のようなタイプに分類できるでしょう。

1.コンビニ系
2.資源系
3.倉庫系
4.ベチャベチャ系
5.プレス系

それぞれどのような特徴があるのか、自力で片付ける場合の難易度はどのくらいかについて以下で紹介します。

1.コンビニ系

コンビニ系とは弁当の空き容器やペットボトル、紙パックなどが散乱しているようなゴミ屋敷です。
ものが多い一方で、軽いゴミが多いのは特徴と言えます。
仕事が忙しいなどでゴミ捨てができずにゴミ屋敷化してしまった、一人暮らしの家庭で多く見られるパターンです。

コンビニ系の場合、まだ汚れもそこまでひどくないでしょうし、分別も簡単でしょう。
自力だけで片付けは可能ですし、短時間できれいな状態に回復できる可能性は大いにあります。

2.資源系

資源系とは洋服や雑誌などが大量にあって、足の踏み場がなくなってしまったようなゴミ屋敷です。
「またいつか使うかもしれない」と思って捨てられずにいて、いつの間にかものであふれてしまったのでしょう。

資源系のゴミ屋敷を自力で片付けるためには、しばらく使っていないものを思い切って処分できるかどうかにかかっています。
もったいないと思って踏ん切りがつかなければ、自力だけでの片付けはあきらめて、業者にお願いするのがおすすめです。
まだ使えるものはリサイクルショップなどに買取に出せば、いくらか現金を確保できるかもしれません。

3.倉庫系

倉庫系とは、まだ使えるものが部屋の中を埋め尽くしているような状態と定義できます。
在庫が数多くある、まるで倉庫のようなゴミ屋敷です。
ものを捨てられず、なかなかお目当てのものが見つからないと、すぐに新しいものを購入するのでこのようなゴミ屋敷状態になってしまうわけです。

倉庫系のゴミ屋敷だと、自力のみでの片付けの難易度は高いと思ってください。
ものが多すぎるので、作業量がどうしても多くなり、途中で挫折してしまう可能性が高いからです。
どれだけ多くのものが処分できるかが、片付けのポイントになると考えましょう。
まだ使えそうなものがあれば、買取業者に売却するのも選択肢の一つです。

4.ベチャベチャ系

ベチャベチャ系とは、洗っていない食器やなべ、食べ残しや飲み残しが大量に部屋の中に溜まっているゴミ屋敷を指します。
全体的に湿っているので、ゴミで重たくなっているのが特徴です。

ベチャベチャ系のゴミ屋敷を自力だけで片付けるのは、かなり厳しいと思ってください。
ゴミを片付けただけでは汚れが残るので、部屋をきれいにするためには清掃も欠かせません。
害虫が発生している可能性も高いので、害虫駆除の作業も必要になります。

もし自力で片付けたければ、自分一人で行おうと思わないことです。
家族や友人など周りの力を借りながら作業すれば、片付けは可能かもしれません。

5.プレス系

プレス系とは長年かけてゴミ屋敷化された部屋のことで、下の方のゴミはプレスされてミルフィーユのようになった状態です。
先ほど紹介したベチャベチャ系のゴミ屋敷をしばらく放置すると、このようになるでしょう。
プレス系のゴミ屋敷の自力だけでの片付けは、まず不可能だと思ってください。

プロの業者でも、1日では完了しないかもしれません。
それほど難易度の高い作業になることは、自力だけでどうしても行いたい場合にはあらかじめ頭に入れておいてください。

ゴミ屋敷を自力片付けのまとめ

ゴミ屋敷の中でもまだ軽症であれば、自力だけで片付けることも十分可能です。
ただし足の踏み場もなく、天井まで不用品が積みあがった状態であれば、自力での片付けはあきらめるのが賢明な選択です。

またゴミ屋敷の自力だけで片付けができるのか、いらないものを不用品としてどんどん処分できるかにかかっています。
もしゴミとして処分できない、躊躇してしまうのであれば、専門業者に片付けを依頼してください。
ゴミ屋敷を放置すると健康被害や近隣住民に迷惑をかけかねないので、速やかな対策が必要になると考えましょう。