身内が亡くなった場合、遺品整理をしなければならない事態も十分想定できます。
とくに亡くなった人が賃貸物件で暮らしていた場合、速やかに遺品整理しなければ家賃がその間発生してしまいます。
自分でできれば良いのですが、遠方に住んでいたり大量のごみがあったりすると自力での整理は難しいでしょう。
その場合おすすめなのが遺品整理業者の活用です。
ここでは遺品整理業者選びのポイントについていくつかピックアップしました。
また遺品整理業者の中には悪質な営業を行っているところもあるようです。
悪徳業者に引っかからないためのポイントについても紹介しますので、参考にしてください。
遺品整理に関するトラブル事例を紹介
遺品整理を行っている業者は、日本全国に数多くあります。
そのほとんどは優良業者なのですが、一部悪徳業者もいるのもまた真実です。
国民生活に2013〜2018年の6年間で遺品整理に関する相談が、実に500件を超えました。
どのような問題が起こるのか、主な事例として以下のようなことがあります。
1.強引な営業をかける
2.勝手に処分された
3.不当な値段で買取
4.引き取りを拒否された
5.遺品を築けられる
6.不法投棄
以上具体的にどのようなところが問題なのかについて見ていきましょう。
1.強引な営業をかける
遺品整理業者の中には、繰り返し執拗に勧誘の電話をかけてきたり、契約するまで居座ったりと強引な営業をかけるところもあるようです。
中には半ば脅迫じみた表現で、契約をするように迫ってくる場合もあります。
すると「断ったら何をされるかわからない」と思ってしまって、契約に押し切られるわけです。
とくに高齢者や女性の単身世帯にこのような強引な営業をかけてくる場合もあります。
もししつこく営業された場合でも毅然とした態度で対応してください。
恐怖を感じたのであれば、ためらわずに警察に通報することも視野に入れましょう。
2.勝手に処分された
遺品整理に関するトラブルの中で多いのが、勝手に遺品を処分される事例です。
はたから見ればガラクタで価値のないものでも、遺族にとっては大切な思い出の品物の可能性もあります。
この手のトラブルは、優良業者でも起こりうることです。
意思疎通がきちんとなされていないと、誤解から遺品を勝手に処分される危険性が出てきます。
そこで実際に作業へ入る前に、どの遺品は処分してほしくないのかきちんと伝えておきましょう。
また貴重品などとくに処分してほしくないものは、自分で保管するのが安心です。
3.不当な値段で買取
遺品整理業者の中には、価値のあるものは買取サービスを実施しているところもあります。
しかし「不当な価格で遺品を買い取られてしまった」という相談事例も、時折見られます。
二束三文で売ったものが、実は価値のあるものだったというケースです。
遺品整理業者の中にはプロの査定士の在籍しているところもあります。
このようなところに依頼するのが無難でしょう。
とくに骨董品は、価値のあるものか素人が判断するのは難しいでしょう。
骨董品が遺品の中で見つかったのであれば、専門家に前もって査定することです。
4.引き取りを拒否された
遺品整理業者の中には「金目になるものしか引き取らない」というケースもあります。
すると価値のない不用品は引き取ってもらえなかったといったトラブルも起こりうるわけです。
この場合、また別の業者選びを進めなければならず、二度手間になってしまいます。
価値のない不用品も必要ないものはすべて引き取ってもらえるか、見積もりなどの際に担当者に確認しておくと安心です。
5.遺品を傷つけられる
遺品整理の作業中に、遺品を傷つけられたという話もしばしば耳にします。
高額な骨董品を落として割ってしまった、権利書を処分されたなどのトラブルです。
また遺品整理する際に柱や壁にぶつけて、家屋に損傷を加えられた場合もあります。
スピーディさを売りにしている遺品整理業者の中で、このようなトラブルが見られるようです。
ただの不用品回収とは異なり、故人の思い入れのある品物を取り扱っていると認識して作業してくれる遺品整理業者を見つけましょう。
6.不法投棄
遺品整理で不用品回収する際、適切な方法で処分しなければなりません。
ところが不法投棄で処分しようとする悪徳業者も一部あるので、注意してください。
不法投棄したのが業者であっても遺品から個人が特定された場合、遺族が警察の取り調べを受ける可能性があります。
最悪不法投棄したことで、なんらかのペナルティを科せられる恐れもゼロではありません。
不法投棄する遺品整理業者を見ると、相場よりも極端な低価格を提示するケースが多いようです。
ほかの業者と比較して、極端に価格が安ければ要注意です。
安心して任せられる遺品整理業者選びのポイントについて解説
ここまで紹介したように、遺品整理業者の中には悪質な営業をしているところもあります。
このようなところに引っかからないためにも、業者選びは慎重に行ったほうが良いでしょう。
では遺品整理業者選びで何を重視すれば良いのでしょうか?
主に以下のポイントに留意して、業者選びを進めてください。
1.遺品整理士が在籍しているか
2.必要な許可を受けているか
3.ホームページを確認する
4.料金システムについて
5.口コミなどの評判
6.エリアで比較する
7.相見積もりをとる
なぜ以上で紹介した項目が、業者選びの面で重要なのかについて解説します。
遺品整理業者を利用することになった際の参考にしてください。
1.遺品整理士が在籍しているか
まずは遺品整理士という専門資格を保有したスタッフが在籍しているかどうかチェックするのが、業者選びの基本です。
遺品整理士とは、遺品整理士認定協会という一般社団法人が認定する民間資格です。
この資格がなくても、遺品整理サービスをしても法的には問題ありません。
しかし遺品整理士になるためには所定のカリキュラムを受講して、試験に合格する必要があります。
つまり遺品整理に関する正しい知識やスキルを持っていることの証明となる資格です。
遺品整理の専門家が在籍している業者であれば、安心して作業も依頼できるでしょう。
2.必要な許可を受けているか
遺品整理事業を営むためには、いくつか必要な許可があります。
この許可を受けずに遺品整理サービスを行っていれば、それは違法業者です。
悪徳業者の公算大で、上で紹介したトラブルに巻き込まれる危険性も高まります。
まず一般家庭から不用品を回収するためには、一般廃棄物収集運搬業の許可を受けていなければなりません。
また遺品の買取サービスを営むためには、古物商許可が必要です。
これらの認可を受けているかどうか、ホームページなどで確認してください。
一般廃棄物収集運搬業の許可を受けている事業者は、自治体のホームページに掲載されています。
この一覧に掲載されているか、依頼する前に確認するのがおすすめです。
3.ホームページを確認する
業者選びの中で欠かせないのが、業者のホームページを確認することです。
今ではほとんどの遺品整理業者が、自社サイトを開設しています。
ホームページに必要な情報が掲載されているかどうか確認してください。
まず会社概要が掲載されていない業者は、候補から外してください。
万が一問題が発生した場合、責任の所在がわからないからです。
会社名や事業所の所在地、責任者、電話番号が記載されているか確認しましょう。
もしかすると架空の住所が掲載されている可能性もあります。
できれば、その住所に事務所があるか実際に足を運ぶか、Googleマップなどで確認するかしてください。
また電話番号が携帯の番号しか掲載されていないところは要注意です。
固定電話まで表記されている遺品整理業者のほうが安心です。
また料金体系について、Webサイトに明記されているかどうかも確認しておきましょう。
過去の作業事例や価格について表記していれば、おおよその費用をシミュレーションできるからです。
4.料金システムについて
先ほど紹介したことと関係することですが、料金システムが明確なところのほうが安心して利用できます。
遺品整理業者選びをする際には、料金システムがシンプルでわかりやすいところを利用しましょう。
注意してほしいのは「○○円〜」のような下限金額しか表記されていない業者です。
上限価格がわからなければ、高額請求されかねないからです。
遺品整理の料金システムは、処分する遺品の量や作業人数、作業時間で決められます。
処分する遺品の量が多くなれば、それだけスタッフが必要ですし、時間も取られます。
それだけ大きな費用がかかるわけです。
通常遺品整理の作業依頼する前に、いくらかかるのか見積もりを作成します。
見積金額通りに作業してもらえるか、追加費用は発生しないか問い合わせの際に確認しておくと良いでしょう。
5.口コミなどの評判
ほかの業者選び同様、遺品整理業者選びでもネットの口コミの意見はチェックしておくと良いでしょう。
もし複数の業者でどこに依頼すべきか、一つに絞り込めない際には参考材料になるはずです。
口コミには業者のホームページではなかなかわからないことが書かれています。
スタッフの応対や遺品の取り扱いのていねいさなど、さまざまな投稿が見られます。
口コミサイトのほかにも、Googleマップの口コミも参考になるでしょう。
数多くの投稿があって、おおむね高評価の遺品整理業者であれば信頼できます。
6.エリアで比較する
遺品整理サービスは、自宅を訪問して作業する営業スタイルです。
このため、基本的にどの業者も営業エリアを限定しています。
自分の住んでいる地域が、業者の営業エリアになっているかも確認してください。
せっかく依頼しても営業エリア外であれば、断られる可能性が高いからです。
また複数候補が残った際の業者選びとして、より自宅から近いところに営業所のある業者を選ぶのも一つのポイントです。
そうすれば移動距離が短いので交通費を抑制でき、その分費用にも反映されるかもしれません。
一方遠方の遺品整理業者にお願いすると出張費がかかって、高額費用を請求されるかもしれません。
業者選びをする際には、事業所がなるべく近場のところを選ぶのも一考です。
7.相見積もりをとる
遺品整理サービスを受ける際には、まず見積もりを取ってその金額に納得できれば契約して依頼という流れです。
見積もりを取る際に、いきなり一つの業者に絞り込む必要はありません。
より納得できる価格で依頼するためには、業者選びの際に相見積もりをとるよう心掛けてください。
相見積もりとは、複数の業者から見積もりをとることです。
見積書の内容を比較して、より良い条件で依頼できるところを見つける方法です。
相見積もりをとることで、自分たちの条件でより安い価格にて作業してくれる業者が見つかります。
また相見積もりを取ることにより、先に紹介した悪徳業者に引っかかるリスクも低減できます。
相見積もりをとれば、おおよその相場を把握できるからです。
悪徳業者の手口として、相場よりも極端な低価格を提示するケースも少なくありません。
しかしこれはいわばおとりの金額で、依頼されてから「追加料金が発生する」などと言い訳して高額費用を請求するわけです。
もし他よりも極端に低い金額を提示してきた業者があれば、悪徳業者の可能性が高いと言えます。
業者選びの候補から外したほうが無難です。
遺品整理業者選びに関するまとめ
遺品整理を自力で行うのが難しければ、専門業者に依頼すると良いでしょう。
遺品整理業者は日本各地で営業していますが、中には悪徳業者もあります。
大事な遺品を勝手に処分されたり、不法投棄のトラブルに巻き込まれたりするので業者選びは慎重に行いましょう。
業者選びする際には、遺品整理士資格保有者などの専門家が在籍しているか、ホームページに詳細な情報が書かれているかなど多角的に探しましょう。
また相見積もりすれば、より低額で作業依頼できる業者も見つかりやすくなるのでおすすめです。