自宅に不用品があって処分したい場合、いくつかの方法が考えられます。
自治体のゴミ回収サービスもあれば、まだ使えるものならネットオークションに出品する方法もあるでしょう。
その他に、民間の不用品回収サービスの利用も一つのアプローチです。

不用品回収業者が日本各地で営業しているのは、相応のメリットがあるからです。
一方でデメリットもあるので、自分にとってどちらのほうがより大きいかで利用するか判断する形になるでしょう。
ここでは不用品回収業者のメリット・デメリットについて見ていき、どのようなケースならおすすめかについて紹介します。

不用品回収業者活用のメリットとは?

不用品回収業者は、自治体のゴミ回収にはない利点がいくつかあります。
主要なメリットとして、以下のような項目が挙げられるでしょう。

1.一括回収が可能
2.自治体で処分できないものも回収してもらえる
3.自宅からの搬出に対応
4.買取サービスに対応しているところも
5.最短即日で回収
6.ゴミ屋敷にも対応
7.地球環境に貢献できる

それぞれ、具体的にどのようなところがメリットかについて、詳しく見ていきます。

1.一括回収が可能

ゴミの種類に関係なく、不用品回収業者なら一括で処分できるのが大きなメリットです。
自治体の場合、ゴミを分別して、決められた曜日に徐々に処分しなければなりません。

一挙に処分したいゴミが複数の分野にまたがる場合には、不用品回収業者を利用したほうが良いでしょう。
部屋の模様替えや大掃除などで多種多様なゴミが発生した際には、民間のサービスの利用を検討してください。

2.自治体で処分できないものも回収してもらえる

自治体のゴミ回収では、処分できないゴミがいくつかあります。
テレビやエアコンなどの家電リサイクル法に該当するアイテムやパソコンなどです。

不用品回収業者の場合、このような自治体では回収してもらえないものでも処分できるのはメリットです。
家電リサイクル法に該当する品目は販売店や指定引取場所に持ち込まないといけません。
パソコンであれば、リユース業者にお願いしなければなりません。

自治体の場合、回収不可のものは別途で処分する必要があります。
これでは二度手間です。
不用品回収業者を利用すれば、回り道をする必要がありません。

3.自宅からの搬出に対応

自治体の多くで一定サイズ以上の品目は、粗大ゴミとして処分しなければなりません。
そして粗大ゴミは指定する場所まで持っていって、引き取りをお願いする形になります。

しかし大きくて重量のある粗大ゴミを自宅の外に持ち運ぶのが困難な場合もあるでしょう。
不用品回収業者のメリットは、自宅にある大型ゴミの搬出を作業員にお願いできる点です。
大型の家具や家電など、持ち運びの難しいものは民間業者に依頼するのも一考です。

4.買取サービスに対応しているところも

不用品回収業者の中には一部買取サービスに対応しているところもあります。
自分にとってはいらない品物でも、まだ使えるものならいくらかで買い取ってもらえる可能性があるのはメリットの一つです。

別項で紹介しますが、不用品回収業者のデメリットの一つにお金のかかる点が挙げられます。
ただし買取サービスで現金化できれば、費用負担を多少なりとも軽減できます。

前もって価値のありそうなものをフリマアプリなどで処分する方法もあるでしょう。
しかし会員情報を登録し、画像撮影の上商品に関する説明文を検討しなければなりません。
フリマアプリに慣れていない人であれば、不用品回収業者で買取と処分をまとめてお願いできます。

5.最短即日で回収

「今すぐに処分したい!」と思うのであれば、不用品回収業者に問い合わせるべきです。
中には最短問い合わせ当日処分に対応しているところもあるからです。

自治体の場合、種類ごとに処分できる曜日が決まっています。
また粗大ゴミの場合、事前申し込み制になっているので即日処分は難しいでしょう。
混み具合によっては、1カ月以上先でないと回収してもらえない場合もあるほどです。

不用品回収業者であれば、基本何でも最短即日処分できるのがメリットです。
処分までの期限が差し迫っているのであれば、不用品回収業者の利用も検討してください。

6.ゴミ屋敷にも対応

ニュースやワイドショーなどで、しばしばゴミ屋敷問題が取り上げられています。
環境省が発表したゴミ屋敷に関する調査報告書によると、令和4年段階で全国5,000件を超えるゴミ屋敷が認知されています。

ゴミ屋敷を放置していると衛生環境が悪化しますし、火災や害虫などで近隣住民にも迷惑をかけかねません。
ゴミ屋敷にいたっていると、自力での清掃は難しいでしょう。
不用品回収業者に依頼すると、ゴミ屋敷もきれいに清掃してくれるのもメリットの一つです。

業者に依頼すれば、大半の事例で1日もあれば片づけは完了するでしょう。
しかも中にはただ単にゴミ回収するだけでなく、清掃してくれる場合もあります。

ゴミ屋敷の中にはゴミだけでなく、悪臭や害虫が発生しているケースも珍しくないでしょう。
特殊清掃することで、きれいな状態に回復することも可能です。

7.地球環境に貢献できる

優良な不用品回収業者であれば、回収した不用品をリサイクルします。
素材に戻して再利用できるように処分するので、エコです。

不用品回収業者にお願いすれば、ただゴミとして処分するのではなくリユースしてくれます。
間接的ながら、地球環境保護に貢献できるのもメリットの一つです。

ただし悪徳業者は、回収したゴミを不法投棄してしまうところもあるようです。
これではむしろ環境破壊につながりかねません。
きちんと処理してくれる業者かどうか、慎重に吟味してください。

不用品回収業者のデメリットとは?

不用品回収業者を利用するにあたって、デメリットのあることも認識しておきましょう。
主なデメリットとして、以下の点には注意しておくと良いでしょう。

1.自治体と比較して料金が割高
2.悪徳業者の被害に遭う可能性
3.料金が不明瞭

それぞれどのような点に注意すればよいかについて解説するので、依頼する際の参考にしてください。

1.自治体と比較して料金が割高

不用品回収業者のデメリットとして、自治体よりも費用が割高な点は見逃せません。
さいたま市を一例にしてみてみると、一般の家庭ゴミであれば無料で回収をお願いできます。

粗大ゴミや特定適正処理困難物の回収は有料です。
さいたま市では90センチメートル以上2メートル未満のサイズは粗大ゴミとして処分しなければなりません。
粗大ゴミは1品当たり550円です。
特定適正処理困難物は品目によって、価格は変わります。
しかし高額のものでも2,200円です。

さいたま市の不用品回収業者を利用した場合、ワンルームのような狭い部屋の回収でも25,000円程度かかります。
一戸建てなど広めの住宅であれば、150,000円程度かかる可能性もあります。
自治体のサービスと比較して、結構な高額費用になることがおわかりでしょう。

2.悪徳業者の被害に遭う可能性

不用品回収業者の中には一部、悪徳業者が活動している場合もあるのがデメリットです。
国民生活センターにも、悪徳業者とのトラブル相談が一定数寄せられていると言います。

「無料で回収と言われたけれどもお金を請求された」
「高額でキャンセルしようとしたらキャンセル料を請求された」

このように金額に関するトラブルはしばしば紹介されています。
悪徳業者の被害に遭わないためには、お住まいの自治体から一般廃棄物収集運搬業の許可が出ているか確認するのが有効です。
許可を受けていないところは違法営業している業者なので、トラブルのリスクは高まります。

3.料金が不明瞭

不用品回収業者は料金体系がわかりづらいところもデメリットの一つです。
依頼する量や内容が顧客によってまちまちなので、どうしてもわかりにくくなりがちです。

同じ内容でも業者によって価格が異なるのも、初心者にとっては難しいところでしょう。
そこで適正価格を知るために、複数の業者で見積もりをお願いすると良いでしょう。
そうすれば、自分たちの依頼内容におけるおおよその相場が把握できるからです。

もし相見積もりをお願いする際には、3~5社くらいに絞り込んでから依頼するのがおすすめです。
相場の範囲内でより低価格の金額を提示した不用品回収業者に依頼すれば、満足度も高くなるでしょう。

不用品回収業者利用がおすすめの人とは?

不用品回収業者にはメリット・デメリットの両面あることがわかりました。
このため業者の利用がおすすめな場合とそうでないケースが出てきます。
では利用したほうが良い人として、どのようなパターンがあるかここで紹介します。

1.ゴミ屋敷など大量に処分しなければならない
2.重たい荷物が含まれる
3.引越しなどで期限がある
4.遺品整理をしたい

それぞれ、なぜ不用品回収業者の利用にメリットがあるかについて見ていきましょう。

1.ゴミ屋敷など大量に処分しなければならない

ゴミ屋敷状態で、不用品が大量に発生する可能性がある場合には不用品回収業者を利用すると良いでしょう。
自治体のゴミ回収を利用すると、いつまでたっても部屋がきれいに片付かないからです。

不用品回収業者であれば、種類関係なく一括で処分できます。
業者によっては2トントラックのような大型車両で回収してくれるところも見られます。
よって大量のゴミを処分したいときには、不用品回収業者の活用を検討すべきです。

2.重たい荷物が含まれる

粗大ゴミで大型の家具や家電が含まれている場合には、不用品回収業者を利用すべきです。
自治体の場合、自宅の玄関前など屋外まで自分で搬出することを義務付けているところが多いようです。

一方不用品回収業者は、作業員が自宅に入って不用品を回収してくれるメリットがあります。
非力な女性や足腰の弱い高齢者で屋外の搬出が難しい場合には、民間業者への依頼も検討しましょう。

3.引越しなどで期限がある

引越しなどで部屋の不用品を処分する期限がある場合には、不用品回収業者を活用すべきです。
自治体のゴミ収集サービスを利用すると、部屋の明け渡し期限までに間に合わない可能性があるからです。

業者によっては最短即日回収のようなスピーディさを売りにしているところも見られます。
期限が迫っているのであれば、民間業者に一度問い合わせてみましょう。

4.遺品整理をしたい

身内が亡くなって、住宅を遺品整理したいときに不用品回収業者を利用すると良いでしょう。
業者の中には遺品整理士といった関連資格保有者が作業にあたってくれるのがメリットだからです。

遺品整理の場合、ただ単に部屋の中にあるものを処分すればよいという話にはなりません。
思い出として大事に残しておきたいものもあるでしょうし、家族や親族で形見分けを希望するアイテムも出てくるでしょう。

遺品整理士であれば、遺族の思いを踏まえた作業が期待できます。
住宅が遠方である、仕事などの関係で都合がなかなかつかない人にはおすすめです。

不用品回収業者のメリット・デメリットに関するまとめ

不用品回収業者はゴミの種類に関係なく処分を依頼できる、最短即日で回収にきてくれるなどのメリットがあります。
一方で費用が割高である、悪徳業者の潜んでいる可能性があるなどはデメリットになるでしょう。

自分にとってメリット・デメリット、どちらのほうが大きいかで依頼を検討してください。
ここで紹介した不用品回収業者の活用がおすすめな人も参考にして、必要に応じて活用しましょう。