自治体のゴミ回収サービスが利用できない場合、おすすめなのが不用品回収サービスです。
しかし不用品回収と聞くと「悪質な業者があると聞いたことがあって、危険なのでは?」と思う人もいるでしょう。

確かに一部悪徳業者がいることは事実です。
しかし優良業者の見分け方をマスターできれば、悪徳業者に引っかかるリスクもそんなに高くありません。
そこでここでは不用品回収業者の選び方について紹介しますので、利用する際の参考にしてください。

不用品回収とはどのようなサービスか解説

不用品回収という言葉は聞いたことがあるけれども、細かいことは知らないという人もいるでしょう。
そこで不用品回収とは何かについてみていきます。

基本的なサービス

多少業者によって異なるところもあるかもしれませんが、基本は不用品を仕分けし、必要に応じて梱包し、運び出してくれるサービスになります。
不用品の数は1品から多数まで幅広く対応しています。
いわゆるゴミ屋敷のような、ゴミであふれかえっているようなところでもきれいに片づけてくれます。

ゴミ袋に入れるなどの準備も必要ありません。
不用品として回収したものは、まだ使えるものは基本リサイクルに回されます。

回収してくれるもの

どのような不用品を回収してくれるのか、これは業者によってまちまちです。
どのようなものでも回収可能なところもあれば、特定のアイテムの回収だけ請け負っている業者もあります。

ただし法律に抵触するものや危険物は、回収を断られる場合もありますので注意してください。
また廃棄物に関する法令に基づき、特定の廃棄業者でなければ回収できないケースもあります。

不用品回収業者は危険?悪徳業者の実態について解説

不用品回収業者を利用して、トラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。
その多くは法律にのっとった優良業者ですが、一部悪徳業者もいることもまた事実です。

相談事例は増加中

国民生活センターの不用品回収業者に関する相談案件数は、増加傾向にあります。
2019年度には1,501件ありました。
2004年度は256件だったので、この15年間に6倍近く増えている計算になります。

つまり、不用品回収を利用する際に悪徳業者に引っかかるのは、決して他人ごとではありません。
一方で悪徳業者の手口を把握しておけば、そこまで恐れる必要もありません。

「無料」は危険

不用品回収業者の中で「無料で回収いたします」とPRしているところがあります。
ただで不用品を引き取ってもらえればありがたいですが、無料というのは悪徳業者の代表的な手口です。
実際無料といっていた業者に不用品回収をお願いしたところ、トラックに積み終えたところで料金を請求されたという事例は結構見られます。

「回収費用は無料だけれども積み込み費用は有料です」などといわれてしまうようです。
無料かどうか確認しても、このように言われるとお手上げです。

見積もりと異なる金額を請求される

不用品回収業者に依頼し、電話でおおよその見積もりを取りました。
ところが実際に作業を依頼したところ、見積もりよりも高額費用を請求されたという事例もありました。

悪質なところになると当初聞いていた金額と桁一つ違ってくる場合もあるようです。
運搬費や出張費などいろいろな名目で請求してくる、「当初聞いていたよりも量が多かった」などと理由をつけて高額請求してくるパターンです。

勝手に持ち出す

不用品回収業者に回収してもらう品目を伝えているにもかかわらず、「これも一緒に持っていきますね」などと言って、家財を勝手に持ち出す悪徳業者もあります。
勝手に持ち出して車両に積み込んで、高額費用を請求してくるわけです。

気弱な人だと、相手が強引に持っていこうとすると何も言えないかもしれません。
言われるがまま家財を持っていかれ、しかも高額の費用を支払わされる羽目になるわけです。

返金されるとだまされた

高齢者をターゲットにした悪質な行為です。
見積もりを出して、金額を請求します。

そして「何歳以上であれば、領収書を役所にもっていくと何割か返金される」と説明します。
しかしこのような自治体の制度はありません。
ただお年寄りの中には業者の言うことを鵜呑みにして、言われるがまま料金を支払ってしまう事例もあるようです。

不法投棄されていた

悪徳業者の手口の中でも代表的なのは、引き取った不用品を法律にのっとった形で処分しないというものです。引き取った不用品を不法投棄した場合、業者はもちろんのこと依頼した人も責任を問われる可能性があります。

業者に依頼した、もしくは業者が不法投棄したことを立証できないと依頼した人が不法投棄したことにされかねません。
最悪の場合、罪に問われる可能性もあります。
不法投棄は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金と、罰則は結構厳しいです。

安心して依頼できる優良不用品回収業者の選び方

上で紹介したように悪徳商法を行っている不用品回収業者があるのは否定できません。
しかし悪徳業者はごく一部で、多くはまっとうな営業をしている優良業者であることも理解してください。
優良業者を見分けるためのポイントとして、以下の項目をチェックしましょう。

1.一般廃棄物収集運搬業許可がある
2.料金が相場価格の範囲内である
3.賠償責任保険に入っている
4.ホームページやマップで画像を確認する

それぞれどのようなところをチェックすればいいか以下にまとめましたので、利用する際の参考にしてください。

一般廃棄物収集運搬業許可がある

まず絶対に確認してほしいのが、一般廃棄物収集運搬業許可を自治体から受けているかどうかです。
不用品回収業を営むためには必須の資格で、許可を受けていないところは違法業者、すなわち悪徳業者と思っていいです。

家庭から出る不用品を回収するためには、一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。
似たような許可として、古物商許可や産業廃棄物収集運搬許可もありますが、これらの許可を受けているだけでは家庭の不用品は回収できません。

一般廃棄物収集運搬業許可を取得していれば、ホームページにその旨記載されているはずです。
「○○一般廃棄物収集運搬業許可 第××××号」といった表記が、許可番号です。
○は自治体で×は数字になります。

自治体のホームページには、一般廃棄物収集運搬業許可を受けている業者の一覧を掲載している場合が多いです。
こちらで許可を受けている業者を確認するのもおすすめといえます。

料金が相場価格の範囲内である

不用品回収は、業者によって料金は若干異なります。
しかし同じ内容であれば、おおよその相場があるものです。
相場の範囲内で料金提示してくる業者を選べば、トラブルに発展する恐れは低いです。

相場よりも高い業者にはお願いしないでしょうが、相場よりも極端に安い業者も要注意です。
「格安だからお得」と思って飛びつくと、業者の罠にはまってしまいます。
なんだかんだ理由をつけて、追加費用で高額請求するのが悪徳業者の手口だからです。

地域によって若干違いがありますが、大体軽トラック1台で済むような量であれば1〜2万円前後が相場といわれています。
2トントラック1台分だと3〜4万円前後が相場と考えてください。

自分のケースの相場を把握するために、おすすめなのが複数の業者に依頼する相見積もりです。
複数の業者で見積もりを取れば、おおよそ自分たちの相場がどのくらいかわかります。
またよりお得に不用品回収してくれる業者も見つけられます。
だいたい2〜3社にお願いして、見積書の内容を比較しましょう。

賠償責任保険に入っている

大型の家具や家電を外に持ち出す際、細心の注意を払って作業していますが、床を引きずったり壁にぶつけたりして家が傷ついてしまうこともあります。
不用品回収業者の中には、このような事態に対処するために賠償責任保険に加入しているところもあります。
たとえ家の中が何らかの損傷を受けても、賠償責任保険で修繕費を保障してもらえます。

いざというときに安心です。
また賠償責任保険に入っている不用品回収業者は、それだけお客様第一で営業していることもうかがえます。

ホームページやマップで画像を確認する

不用品回収業者のホームページでは、過去の事例を紹介していることが多いです。
過去の事例を確認すれば、実際にどんな感じで作業してくれるのかシミュレーションできます。
画像などが掲載されていると、とくにたくさん不用品がある場合、どの程度片付くのかも見て取れます。

そのほかマップで業者の写真を確認するのもおすすめです。
きちんと事務所を構えているか、回収した不用品をしばらく保管するような倉庫があるかチェックできます。

悪徳業者の場合、事務所を構えていない場合も少なくありません。
トラブルが起きた時にすぐ撤退できるようにするためです。
事務所や倉庫など、不用品回収業を営むために最低限必要な設備を用意しているかチェックしてみましょう。

不用品回収業者のまとめ

すぐに駆けつけてくれ、まとまった不用品も一括で回収してくれる不用品回収は重宝するサービスです。
しかしここで紹介したように、一部悪徳業者がいるのもまた事実です。
そこで悪徳業者の手口と優良業者の特徴をしっかり把握しておきましょう。

ここで紹介した優良業者の見極め方を理解して、依頼する際には慎重に業者を選定することが大事です。