家族など皆さんにとって大切な人が亡くなれば、やるべき手続きはいろいろと出てきます。
遺品整理もその中の一つです。

遺品整理という言葉は知っていても、いざ自分で行うとなるとどこから手を付ければいいかわからないという声をしばしば耳にします。
遺品整理を自分で行う場合、どのようにすればいいのか進め方について解説しましょう。

遺品整理の進め方について解説

遺品整理の進め方ですが、いくつかのステップを踏んで作業していく必要があります。
むやみやたらにゴミとして処分すればいいという話ではありません。

遺品整理の基本的な進め方は、以下の6つの手順にまとめられます。

1.遺言書の確認
2.必要なものを用意する
3.遺品を分類する
4.形見分けする
5.不用品を処分する
6.部屋の片づけを行う

それぞれのステップで、具体的な進め方はどのような感じなのかについて以下で解説しましょう。

1.遺言書の確認

遺品整理の進め方で忘れてはならないのが、遺言書やエンディングノートなど故人が残したものはないか確認することです。
もし遺言書やエンディングノートなどで、遺品整理に関する指示があればその内容に基づき作業してください。

また遺言書の中でも、公証役場に保存されているものは法的効力があるので注意してください。
故人が本文を作成した自筆証書遺言などが見つかった場合、偽造を防止するためにも家庭裁判所の検認が必要です。
勝手に開封すると、違法行為に該当する可能性もあります。
遺言書を見つけたら、基本的に家庭裁判所に持っていった方がいいでしょう。

一方エンディングノートに法的効力はありません。
しかし故人の思いがあるので、家族などと相談して遺品整理の進め方ではその意思を尊重しましょう。

2.必要なものを用意する

遺品整理の進め方の中で、片づけに必要なものをあらかじめ準備しておくといいでしょう。
そうすれば、今後の遺品整理の進め方もスムーズになるからです。

遺品整理をする際には、片づけ作業も含まれます。
そこで掃除するのに適した服装での作業を心がけてください。
その意味では汚れてもいいような作業着を準備するのがおすすめです。

その他にも作業中にほこりなどゴミが舞ったり、思わぬものが落ちていてけがしたりすることもあるかもしれません。
そこで軍手やマスク、スリッパのようなものを準備するといいでしょう。

部屋によっては、大量の不用品が発生するかもしれません。
不用品を処分するためにゴミ袋や段ボール、ガムテープ、ひも、はさみなどを用意しておくといいでしょう。

3.遺品を分類する

遺品整理の準備が整ったところで、次の進め方のステップとして実際の整理作業に入ります。
まずは数ある遺品をいくつかの種類ごとに分類してください。
故人宅の中にある品目は、以下の種類に分類して処分を進めてください。

・貴重品
・相続
・形見
・買取
・譲渡
・処分

以上で紹介したジャンルの中で、各品目がどれに相当するか考えてみましょう。
もしここまで細かく分類できなければ、必要なものと不用品のいずれかに分類しておいてください。

4.形見分けする

遺品を仕分けしたら、次の進め方のステップは遺品の形見分けです。
遺品の中でも貴重品や相続品、形見に該当するものを遺族や知人の誰に渡すべきか検討してください。
遺言書やエンディングノートが残っている場合には、その内容に従って進めていけばいいでしょう。

もし遺言書やエンディングノートが見つからなければ、遺族で話し合ってください。
話し合わずに誰かが勝手に決めてしまうと、後々遺族や知人間でトラブルになるかもしれないからです。

5.不用品を処分する

遺品の中にはゴミをはじめとした不用品もいろいろと出てくるでしょう。
不用品に関しては、ゴミとして処分していきましょう。
早めに処分しておかないと、部屋のスペースを無駄に消費するからです。

とくに賃貸物件の場合不用品を処分しないと、部屋の明け渡しがなかなかできなくなります。
不用品の処分は原則、それぞれの自治体のゴミ出しルールに従って進めていきます。

ただし不用品が大量に発生した場合、自治体のゴミ収集では一気に処分できないかもしれません。
その場合には民間の不用品回収業者に依頼して、処分する形をとりましょう。

6.部屋の片づけを行う

遺品整理ができ、不用品を処分したら次の進め方のステップは部屋の片づけです。
部屋をきれいにして売りに出すなり、賃貸物件の場合オーナーに引き渡したりします。

孤独死など、長期間遺体が放置されていると部屋に悪臭やシミが残って、自力では除去できない場合もあるでしょう。
このような場合、素人が自力で部屋をきれいにするのは難しいと思ってください。

特殊清掃に対応している業者もあるので、こちらに作業を依頼しましょう。
先ほど紹介した不用品回収業者の中には遺品整理に対応しているところも少なくありません。
このような業者にお願いすれば、特殊清掃までセットで作業してくれるので問い合わせてみましょう。

遺品整理の進め方における注意点

遺品整理はただ単に個人の持ち物を処分すればいいという簡単な話ではありません。
遺品整理の進め方ですがスピーディかつ慎重に進めていかないといけません。
遺品整理の進め方における主な注意点として、以下のようなポイントが挙げられます。

1.進め方は遺族間の相談の後で
2.相続手続きは専門家にお願いする
3.近所対策も検討する
4.お金のかかるものは解除手続きを優先させる
5.不用品の処分は自治体のルールに従う

それぞれ、具体的にどのようなことに注意すべきか以下で解説します。
遺品整理を実際に行うことになった場合の参考にしてください。

1.進め方は遺族間の相談の後で

遺品整理の進め方の基本として、遺族間で話し合いながら進めることは忘れないでください。
もし相続人が複数いるのであれば、できれば相続人全員が集まって一緒に遺品整理するのが理想の進め方です。

しかし相続人の中には遠方で生活していて、遺品整理の現場に立ち会えない場合もあるでしょう。
その場合でも遺品整理する際には、前もって通知しておいてください。
立ち会えない相続人の意思確認ができれば、その人がいなくても遺品整理の作業を進めても後々トラブルになることはないでしょう。

遺品整理の進め方の中で、貴重品や形見の分類には細心の注意を払ってください。
勝手に処分してしまうと、後々遺族間で問題になるかもしれないからです。

また形見分けを行う際には、遺族間でなるべく公平になるような分け方に留意してください。
相続人誰かの独断で勝手に形見を遺族以外の人に譲渡するのも避けましょう。

2.相続手続きは専門家にお願いする

遺品整理を行う中で、相続の手続きの必要な品目が見つかる場合も十分考えられます。
この場合、素人考えで勝手なことをしないでください。
専門家にどう処分すればいいか、相談するのが理想的な進め方です。

専門家とは、具体的には弁護士や税理士、司法書士などです。
相続手続きは思っているよりも煩雑で複雑な側面があります。
中でも相続人が誰なのか、相続税がかかるのかには慎重な判断が必要です。

とくに相続税が発生する場合、納税期限が決められています。
期限までに手続き完了できるように、できるだけ早く手続きを優先して進めましょう。
そのためには専門家に、事務的な手続きを任せてしまうのがおすすめです。
相続手続きを専門家に任せればお金もかかりますが、大体10〜20万円が相場になります。

3.近所対策も検討する

遺品整理の作業を行うと、近所に迷惑のかかる可能性があります。
たとえば遺品整理の作業中に騒音が発生するでしょうし、不用品も大量に処分しないといけないかもしれません。
そうなると近所に悪影響が出て、クレームの入る可能性が出てきます。

そこで遺品整理を始める前に、近所には挨拶をしておくといいでしょう。
また騒音が発生する場合には、夜間などは避けできるだけ迷惑のかからないような時間帯を選んで作業を進めてください。

遺品整理の進め方ですが、できるだけ早く手掛けるべきです。
もし長期間放置していると、故人の住宅から異臭がしてくる可能性もあるからです。
これはこれで近所迷惑になってしまうので、早めに遺品整理を始められるようにスケジュール調整してください。

4.お金のかかるものは解除手続きを優先させる

遺品整理の進め方で、形あるものの振り分けや処分をイメージする人も多いでしょう。
しかし遺品整理の進め方の中には、物品だけでなく契約関係などカタチのないものも含まれます。
このような契約関係の手続きも、遺品整理の進め方に含まれるので注意しなければなりません。

とくに故人が携帯電話やインターネットプロバイダーと契約している場合、できるだけ早く解約手続きをしなければなりません。
でなければ、月額料金が発生し続けてしまうからです。

一方賃貸物件の家賃や電気・水道料金などの公共料金は、遺品整理が完了するまで解約できません。
ですから遺品整理は早い段階から始めたほうがいいわけです。

5.不用品の処分は自治体のルールに従う

遺品整理の進め方の中で、不用品の処分も出てくるでしょう。
不用品の処分は、基本的にはその地域の自治体のルールに従って進めていかなければなりません。

ゴミ出しの方法ですが、自治体によって微妙に違ってきます。
自分たちの住んでいる自治体のルールでゴミ出ししようと思ったら、実は違うところがあったといったことも起こりかねません。

もし不用品を処分する際にはゴミの種類やゴミの出し方など、確認しておきましょう。
自治体のホームページなどに記載されているはずです。

またある一定以上のサイズの不用品は、粗大ゴミとして収集をお願いしなければなりません。
どこから粗大ゴミになるのか、どのように処分するのか進め方のルールも自治体によって異なります。
粗大ゴミを出したい場合には、その自治体のルールに従って処分してください。

遺品整理の進め方に関するまとめ

家族が亡くなった場合、遺品整理をしなければなりません。
ここで紹介した進め方を参考にして、速やかに作業を行いましょう。
とくに相続税の発生する場合には、期限が決められているので早めに進めていく必要があります。

しかしほかにも家族が亡くなった場合、いろいろと手続きを行わなければなりません。
もし自分たちで遺品整理を進めるのは厳しいと思うのであれば、不用品回収業者などのプロにお願いするのも一考です。

不用品回収業者の中には、遺品整理のサービスに対応しているところも少なくありません。
特殊清掃などセットで遺品整理を行っているところもあるので、早めに問い合わせておくといいでしょう。