ゴミ回収といわれると、曜日ごとに収集してくれる自治体のサービスをイメージする人もいるでしょう。
しかしそのほかにも民間でゴミ回収サービスを行っているところも、日本全国にあります。

自治体と民間ではゴミ回収に違いはあるのでしょうか?
実は自治体と民間、それぞれにメリットデメリットがあります。
今回は自治体と民間のゴミ回収の違いやメリットデメリットについて詳しく見ていきます。

自治体のゴミ回収とは

自治体のゴミ回収は、各自治体によって細かなサービス内容は若干異なるかもしれません。
しかし一般的には以下で紹介するようなゴミ回収サービスを手掛けています。

1.一般ゴミの回収
2.粗大ゴミの回収
3.ゴミの受け入れ

それぞれどのようなサービスか、簡単に紹介します。

一般ゴミの回収

一般ゴミの回収とは、いわゆる家庭で出るゴミを回収するサービスのことです。
一般ゴミの回収では、いくつか種類があって決められた曜日に出すルールになっているはずです。
可燃や不燃、プラスチックなどいくつかの種類に分類されている自治体が多いです。

種類ごとに出す曜日が決められています。
またゴミを出す場所が決められていたり、自治体の指定するゴミ袋を購入してその中に入れて出さないといけなかったり、自治体ごとにルールが決められています。

粗大ゴミの回収

一定以上の大きさのゴミは、一般ゴミとは別に粗大ゴミとして出さなければならない自治体が多いです。
粗大ゴミは一般ゴミとは違って、事前申し込みが必要です。
そして申込時に決められた日時に粗大ゴミを出して回収してもらう形です。

粗大ゴミの場合、品目ごとに値段設定されている場合が多いです。
お店で納付券を購入して、ゴミに貼り付けて出すというスタイルの自治体が多いです。

ゴミの受け入れ

自治体の中にはゴミ収集だけではなく、受け入れサービスにも対応しているところも少なくありません。
自治体の指定を受けた回収センターがありますので、こちらにゴミを持ち込むスタイルです。

持ち込みの場合、無料のところもあれば有料のところもあります。
自分の住んでいる自治体は無料か有料か、有料の場合いくらかかるのかは事前にホームページなどで確認しておきましょう。

民間のゴミ回収サービスとは?

自治体だけでなく、民間でゴミ回収サービスを展開している業者がたくさんあります。
ゴミ回収を行っている業者を業態別に分類すると、主に以下のような業者が考えられます。

1.不用品回収業者
2.引っ越し業者
3.リサイクルショップ

それぞれどのような特徴があるのか、以下で紹介しましょう。

不用品回収業者

不用品回収業者は文字通り、いらなくなったものやゴミを引き取ってくれる業者のことです。
不用品回収業者は、どのようなゴミでも引き取ってくれるのが特徴です。
単品でもいろいろなゴミでもまとめて回収してもらえます。

中には不用品回収プラスアルファのサービスを展開しているところもあります。
たとえば家族が亡くなった際の遺品整理やいわゆるゴミ屋敷の片付けなどです。
ゴミ屋敷の場合、ゴミを片付けてもシミや害虫などが発生している場合もあるでしょう。
そこでハウスクリーニングサービスも行っているような業者も見られます。

引っ越し業者

引っ越し業者の中には、引っ越し作業の一環として不用品の処分を受け付けているところも見られます。
引っ越しの荷造りをすると、不用品が多く出てくることもあるでしょう。
引っ越し業者にその処分をお願いできれば、別途でゴミ回収サービスを利用する必要がありません。

ただし引っ越し業者のすべてが、ゴミ回収に対応しているとは限りません。
ゴミ回収をお願いしたければ、対応している業者かどうか依頼する前に確認しておきましょう。

また引っ越し業者のゴミ回収は、引っ越しサービスの付随サービスとして行っています。
引っ越しせずにゴミ回収だけを依頼することはできないので、注意してください。

リサイクルショップ

リサイクルショップでは、出張査定などで不用品回収してくれるところもあります。
自分にとってはただのゴミでも、見る人が見れば価値がある場合も考えられます。
リサイクルショップにゴミ回収を依頼すれば、思わぬ買取価格がつく可能性もあります。

また価値のないものでも無料で引き取ってもらえる場合もあります。
しかし不用品で値の付かなかったものは引き取りを拒否される場合もあるので、注意が必要です。

自治体のゴミ回収のメリットデメリット

自治体のゴミ回収にはメリットデメリットの両方あります。
自治体のゴミ回収の場合、リーズナブルな価格でお願いできるのはメリットです。
しかし一方でゴミ回収にルールがあるので、まとまったゴミを一度に回収してもらうのは難しいかもしれません。

メリット

自治体のゴミ回収サービスは、かなりの格安でお願いできるのは大きなメリットです。
一般ゴミの場合、自治体によっては指定のゴミ袋を購入してその中に入れて出さないといけないというところも多いでしょう。
ゴミ袋の価格は、自治体によってまちまちです。
無料というところもあれば、1枚数十円のところもあり、さらに100円を超えるところもあります。
しかし民間にお願いするのと比較すれば、かなり安上がりであることは間違いありません。

また安心感があるのもメリットです。
民間の業者の中には、一部悪徳業者もあります。
自治体のゴミ回収は自治体の委託している業者が担当しています。
厳しい審査をクリアした業者ですから、不法行為を行う可能性は極めて低いです。

デメリット

自治体のゴミ回収は時間がかかるのはデメリットといえます。
曜日ごとに出せるゴミが決まっているので、大量のゴミを一度に処分できません。
また自身の都合で特定の曜日にゴミが出せず、家庭内にゴミがどんどんたまっていく恐れもあります。

また粗大ゴミは、ほとんどの自治体で事前申込制をとっています。
申し込みから回収まで、大体2〜3週間かかるのが相場です。
混んでいるときには1ヶ月近く待たされる場合もあります。

自治体のゴミ回収は、何でも引き取ってくれるわけではないのもデメリットです。
テレビやエアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電リサイクル法の対象のもの、パソコンやその周辺機器などは自治体では回収できません。
粗大ゴミの場合でも一定サイズ以上の巨大なアイテムは引き取ってくれない自治体もありますので、注意しましょう。

民間業者のメリットデメリット

民間のゴミ回収業者を利用する際のメリットデメリットについてみていきます。
メリットとして大きいのは、こちらの都合に合わせて回収してくれる点です。
一方で自治体と比較すると費用がかさんでしまう点も留意しなければなりません。

メリット

民間のゴミ回収業者のメリットは、利便性の高さがまず挙げられます。
まず迅速な対応が可能な点に注目です。

業者によって多少差があるものの、たいていのところが申し込んだ1〜2日後には回収してくれます。
中には最短即日ゴミ回収に来てくれるようなところもあるほどです。
最短30分で現場に急行してくれるような業者も見られます。

またゴミ収集の経験豊富な作業員が担当してくれるので、スピーディにゴミの処分が行えます。
粗大ゴミであれば30分、ゴミ屋敷のようなごみがたくさんある場所の回収でも1〜2時間もあれば作業完了できます。

ゴミ回収業者の場合、基本なんでも回収しているのもメリットの一つです。
冷蔵庫やテレビなどのリサイクル家電も引き取ってくれます。
盗品や銃など法律に抵触するものはさすがに引き取ってくれませんが、常識的なゴミであればなんでも処分してくれます。
一度に処分できるので、引っ越しで部屋の明け渡しまでに時間がないときなどは重宝します。

デメリット

ゴミ回収を民間にお願いすると、どうしてもお金がかかってしまうのがデメリットです。
どの程度費用がかかるのか、処分するものや数量によって変わってきます。
しかし少なくとも5,000円弱はかかると思ったほうがいいでしょう。
場合によっては、数万円単位の出費を強いられることもあるかもしれません。

また民間業者の中には一部、悪徳業者が存在していることもデメリットです。
もちろんほとんどのゴミ回収業者が、法律にのっとった営業をしています。
しかし一部の悪徳業者に引っかかると、高額請求されるなどのトラブルに巻き込まれかねません。

ゴミ回収無料と謳っている業者、街中を拡声器で回っているような業者は危険といわれています。
また一般廃棄物処理業許可を取っていないところは違法業者なので、利用しないように心がけて下さい。

民間のプラスアルファのサービスについて紹介

自治体はゴミを回収するだけが業務です。
一方民間では、ゴミ回収プラスアルファのサービスに対応しているところも結構あります。
主なものとして、以下のようなサービスが挙げられます。

1.ゴミ屋敷片付け
2.遺品整理
3.不用品買取

すべての業者が対応しているわけではありませんが、付属サービスも利用したいと思っているのならその内容を確認しましょう。

ゴミ屋敷片付け

自宅内にゴミがたまって、足場がなくなるような状態をゴミ屋敷とよく言います。
ワイドショーやニュースの特集でもしばしば取り上げられているので、名前だけなら聞いたことがあるという人もいるでしょう。
ゴミ屋敷になってしまうと、自力で部屋をきれいにするのは難しいでしょう。

ゴミ屋敷片付けサービスでは、この大量にたまったゴミを処分してくれます。
ゴミの搬出だけでなく、清掃や片付けまで行ってくれる業者も見受けられます。

遺品整理

親族が亡くなった際に、身の回りのものを整理してくれるサービスを行っている業者も少なくありません。
できれば自分でやりたいけれども、できないというケースもあるでしょう。
足を運ぶ時間がない、遠くの家なのでそう頻繁に行けないなどいろいろと理由はあるでしょう。

遺品整理サービスは、当人に代わって遺品の整理や片付けをするサービスです。
遺品整理の経験豊富な作業員が、お客さんの要望を聞きながら仕分けを行います。
処分していいか、保管するかなど聞きながらゴミ処理を進めていきます。

不用品買取

当人にとってはただのゴミでも、ほかの人から見れば価値のあるものもあるかもしれません。
ゴミ回収業者の中には、価値のある不用品を買取してくれるところもあります。
ゴミ回収を業者にお願いする場合、こちらが費用を支払います。

しかし掘り出し物があれば、いくらか業者から現金をもらえる可能性もあります。
まだ使えそうなものがあれば、査定をお願いしてみるのも一考です。

ゴミ回収のまとめ

ゴミ回収といわれると、自治体の公共サービスを連想する方も多いでしょう。
しかし自治体の場合、種類別に決まった曜日に出さないといけませんし、粗大ゴミは申し込まないといけません。

できるだけ早く、一度にまとめてゴミ回収をお願いしたい場合には、民間業者を活用するのも一考です。
自治体と比較してお金はかかりますが、迅速に一度に大量のゴミを一斉に処分できます。
ゴミ屋敷の片付けや引っ越しまでに処分するなど切迫した状況であれば、民間業者を活用してみてください。