さいたま市で事業を運営している法人も多いでしょう。経済活動をしていると、家庭同様ごみが定期的に出るはずです。さいたま市における事業系ごみに関するルールは、家庭用のそれと比較して異なる部分があります。ここではさいたま市の業務用のごみ回収のルールについて紹介します。さいたま市で起業しようと思っている、事業所を移転・新規開設しようと思っているのなら、ごみ回収の仕組みについて理解しておきましょう。

一般廃棄物の処理方法について解説

さいたま市では産業廃棄物以外のごみは、基本的に一般廃棄物扱いになります。食べ残しや売れ残り、生ごみ、リサイクルの出来ない紙や繊維などが該当します。一般廃棄物の処理方法ですが、以下で紹介する2つのうちいずれかの方法で処分しましょう。

清掃センターへの持ち込み

まずはさいたま市の清掃センターに自分で持ち込んで処分する方法があります。持ち込みですが、祝日も搬入を受け付けています。ただし1月1日から3日までの三が日は受け付けていません。搬入時間は平日が8時30分から12時まで、13時から16時30分までです。土曜日は8時30分から12時までとなっています。平日はそのまま搬入してかまいません。しかし土曜日と祝日、12月29日以降の年末は予約制になっています。「ごみ持込みコールセンター(050-3033-8299)」に電話連絡するか、さいたま市のオンライン予約サイトで申し込むといいでしょう。電話の場合、平日の8時30分から17時までの受付になっているので、時間内に予約しましょう。持ち込み予定日の1カ月前から受け付けています。また当日予約は受け付けていません。

清掃センターに持ち込む際には、事業所リーフレットなど排出元がさいたま市内であることを立証できる書類を携帯してください。一般廃棄物は市町村に統括的な処理責任があると法律で決められています。市町村区域内で処理しなければならないので、市外からの持ち込みは認められていません。また手数料として10kg当たり170円として計算します。そこに1.1をかけた額が手数料になります。もし10円未満が発生したら、端数は切り捨て扱いとなります。

処理手数料ですが、さいたま市では令和6年4月1日から改定されます。これまで上で紹介したように10kg当たり170円でしたが、240円に値上がりします。この値上がりに伴い、一般廃棄物収集運搬業者に処理を委託した場合も今後料金が見直される可能性があります。委託先業者に問い合わせて、契約内容の見直しの有無について、早めに問い合わせたほうがいいでしょう。

業者に依頼する

一般廃棄物収集運搬業の許可を受けている業者に依頼して、ごみ回収をお願いする方法もあります。さいたま市のWebサイトで許可業者の一覧を公開しているので、こちらから依頼先を選べばいいでしょう。料金は業者によって異なりますので、依頼する際に相談しておきましょう。業者にごみの品目や回収依頼する頻度、回収する時間帯などの条件を伝えると、おおよその価格を教えてくれるはずです。レギュラーでごみ回収を業者に依頼する際には書面による契約をさいたま市では推奨しています。後々トラブルになった時のために、契約内容を文書にして残しておくべきです。

リサイクルごみの処理方法

リサイクル可能なごみは品目ごとに処理方法が異なります。ここではペットボトルと缶・瓶、木くず類、繊維くず、紙ごみと品目別に処理方法について解説しますので、以下で紹介する通りの方法で処分を進めてください。

ペットボトル

ペットボトルの場合、登録廃棄物再生事業者もしくは自動販売機設置業者に連絡して回収を依頼しましょう。前者の場合、廃プラを取り扱っている業者に依頼しましょう。登録廃棄物再生事業者に委託するにあたって契約書を書面の形にして締結する決まりになっています。そのほかにも「マニフェスト」といわれる産業廃棄物管理票の交付も受けることに決められています。この手順にのっとって手続きを進めてください。また登録廃棄物再生事業者の事業所にごみを持ち込んで処分を依頼することも可能です。

缶・瓶

缶や瓶の場合もペットボトル同様、登録廃棄物再生事業者への依頼もしくは登録廃棄物再生事業者にごみを持ち込むことで処分します。事業者に回収を依頼する場合、金属、瓶なら「ガラス」を取り扱う事業所に依頼しなければなりません。

もう一つ、さいたま市の東部環境センターに持ち込むことで処分する方法もあります。ただし飲料用の缶、もしくは瓶しか受け付けてもらえないので注意しましょう。東部環境センターに搬入する場合、事前に申請書を提出しなければなりません。手数料等減額(免除)申請書をさいたま市の公式ウェブサイトからダウンロード・プリントアウトして必要事項を記入し、提出します。郵送先はさいたま市の廃棄物対策課です。すると手数料等減額(免除)決定通知書が郵送されます。決定通知書は大体申請書を送付してから1週間以内に交付されるはずです。この決定通知書を持参して、東部環境センターにごみを持ち込みましょう。手数料は10kg当たり100円で計算したものに1.1をかけた額になります。10円未満の端数は切り捨てになります。

木くず類

剪定したときに発生した枝や根っこ、株、木製の机や棚などの大型の品目は以下で紹介する形で処分します。その方法は、さいたま市が許可しているリサイクル施設に搬入することです。2023年8月段階で該当するリサイクル施設は3つあります。緑区にある有限会社みどりサービス、浦和区にある有限会社太勢、岩槻区にある株式会社藤栄商事です。ただしみどりサービスでは、大型の木製品の処分は受け付けていません。各業者、処分を依頼するにあたって料金を請求されます。いくらになるかは業者によって異なる可能性があるので、あらかじめ搬入しようと思っている施設に問い合わせてください。また木製パレットや木製の梱包用資材などはこちらのジャンルには該当しないので、注意しましょう。

繊維くず

繊維くずを処理したければ、登録廃棄物再生事業者にお願いするか、事業者の施設に持ち込むことで処分できます。再生事業者の中でも「古布」を取り扱っている事業者に依頼しなければなりません。綿や麻、絹などの天然繊維でできた繊維くずの場合、さいたま市の清掃センターに一般廃棄物として処分することも可能です。しかし登録廃棄物再生事業者に処分を依頼することで、なるべく再利用できるようにさいたま市では推奨しています。

また作業着など化学繊維が使用されているものを処分したければ、産業廃棄物として処分しなければなりません。産業廃棄物の中でも「廃プラスチック類」に該当します。そのほかにも建設業者が作業した際に生じた繊維くず、繊維工場で発生した繊維くずは産業廃棄物扱いになります。こちらは植物由来か化学繊維か原料は関係なく、産業廃棄物扱いになります。

紙ごみ

新聞や雑誌段ボール、OA用紙、パンフレットなどの紙ごみは登録廃棄物再生事業者に処分を依頼する、もしくはさいたま市指定の施設であるエコペーパーリサイクルセンター見沼への持ち込みのいずれかの方法で処理してください。後者を利用する場合、事前に申請手続きを行わないといけません。エコシステム埼玉の公式ウェブサイトにて申請手続きを受け付けてもらえます。手数料等減額(免除)決定通知書及び認証コードが送付されます。申請書に記載したメールアドレスに送付されます。大体申請書を提出してから1週間後に決定書が届くはずです。

エコシステム埼玉のホームページに予約サイトがあるので、決定書とともに添付された認証コードを使ってログインしましょう。そして画面の指示に従って予約手続きを進めます。予約手続きはWeb申込のみの受付です。電話では受け付けていないので注意しましょう。施設にごみを持ち込む際には、手数料がかかります。10kg当たり100円で計算したものに1.1をかけた金額になります。10円未満の端数は切り捨ててかまいません。

紙ごみは以上の方法で処分しますが、例外もあります。それは禁忌品です。リサイクルに適していない紙ごみのことで、ピザや弁当の空き箱などの水分や油分の付着した紙ごみやたばこや洗剤の空き箱など臭いの付いている紙箱、レシートなどの感熱紙や領収書をはじめとしたノンカーボン紙、写真、ラミネート加工された紙などです。

産業廃棄物のごみ処理のルールについて紹介

業務用ゴミの中でもさいたま市では、20種類の品目が産業廃棄物に分類されます。業種関係なく産業廃棄物扱いになるものや特定の業種に限って産業廃棄物扱いになるものがあるので、どれが該当するかさいたま市で事業を営むのであれば頭に入れておきましょう。

全業種で産業廃棄物扱いになるもの

どのような経済活動を行っているかにかかわらず産業廃棄物扱いになるものは、廃プラスチックや金属くず、ガラスくず、廃油、廃酸、廃アルカリ、汚泥、ゴムくず、燃えがら、鉱さい、がれき関係、ばいじんです。ガラスくずのほかにもレンガやブロックなどのコンクリートや陶磁器くずなども産業廃棄物になります。また石膏ボードも産業廃棄物扱いになるので、関連する事業を営んでいる場合には注意してください。

業種によって産業廃棄物扱いになるもの

これから紹介するものはすべての業種で産業廃棄物扱いになるものではありません。特定の業界で出たごみが産業廃棄物になるので注意しましょう。まず木くずは建設業が建設・解体工事の際に生じたものについては産業廃棄物扱いとなります。そのほかにも木製品製造業の発生する木くず、貨物流通に用いられるパレットも同じ扱いになります。建設業が作業中に発生させた、もしくは繊維工場で発生した繊維くずも産業廃棄物に該当します。建設業はパルプ・紙製造業、製本業、印刷加工業などの作業過程の中で発生した紙くずも産業廃棄物になります。

屠畜場や食鳥処理場で処理する過程の中で発生した動物系の固形不要物、食料品・衣料品製造業などで原料として使用した動植物の残さ、畜産農業で生じた動物の糞尿、死体も産業廃棄物扱いになりますので注意しましょう。

産業廃棄物の処理方法

産業廃棄物を処理する方法ですが、3つの方法のいずれかから選択してください。まずリサイクル対象の品目であれば、再利用できるように資源化して処理します。2つ目は産業廃棄物処分業許可業者の施設に自分たちでごみを持ち込んで処分を依頼する方法です。最後は産業廃棄物収集運搬業許可業者に依頼して、ごみの回収をお願いする方法です。

各事業者に産業廃棄物の処理を委託する場合には、契約書を作成して書面での契約締結が必要です。これは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」に規定されていることなので、法律にのっとった手続きを心がけて下さい。

新型コロナウイルスへの対策について

産業廃棄物に限らず、業務用の廃棄物の処理を巡り、新型コロナへの慎重な対策をさいたま市では推奨しています。まず医療機関の廃棄物の中には、新型コロナウイルスの付着しているものもあるかもしれません。環境省では廃棄物処理法にのっとった感染性廃棄物処理マニュアルを公開しています。こちらに則って適正に処理することが求められます。

医療機関以外でも、新型コロナウイルス感染症の疑われる廃棄物を処理しなければならない場合もあるでしょう。この場合、環境省が発表している新型インフルエンザ対策ガイドラインや新型コロナウイルス対策に関するQ&Aに書かれている内容を参考にして、適切に処理する必要があります。

さいたま市で業務用ごみの処分における注意点

さいたま市で事業を営む場合、業務用ごみはどうしても発生するものです。この業務用ごみの処分にあたって、いくつか注意すべきことがあります。以下で紹介することを頭に入れて、適切に処理を進めていってください。

少量でも適切に処分する

業務用ごみを家庭ごみのように出してしまうのは可能かもしれません。たとえば少量の業務ごみを家庭ごみの中に混ぜてしまえば、バレないでしょう。ごみ回収スタッフも、わざわざごみ袋を開けて中身を確認するわけではないからです。しかしたとえ少量でも事業所にて経済活動の中で出たごみは、事業系ごみであることは確かです。事業系ごみは家庭用ごみではないので、業務用ごみできちんと処理しなければなりません。実際過去には少量の業務用ごみを家庭用ごみの中に混ぜて捨てて、摘発された事例もあります。きちんと分別してごみを処分するように徹底してください。

許可業者に依頼する

事業系ごみを収集したり、処理したりするには許可が必要です。産業廃棄物収集運搬許可や産業廃棄物処理業許可がなければ、産業廃棄物の取り扱いができないようになっています。もし新規で業者に依頼したければ、きちんと許可を受けている事業者かどうか事前確認してください。さいたま市のホームページでも一覧が記載されているので、こちらで事業者をピックアップすればまず問題ないはずです。もし許可を受けていない非合法の事業者に依頼すると、依頼した側も何らかのペナルティを受ける恐れがありますので注意してください。

マニフェストも持参する

事業系ごみを処分する方法として、自分で施設に持ち込んで処理する方法もあります。この時マニフェストも持参しないといけないのですが、ついつい携帯するのを忘れてしまう事業者も結構いるようです。マニフェストがないと処分できず、取りにオフィスに帰ったり、後日出さないといけなくなったりと、二度手間になりかねません。マニフェストにはごみの種類や数量、処分方法、運搬委託者、最終処分の場所などごみに関する情報がいろいろと記載されています。うっかり忘れないように注意してください。

不法投棄する業者に依頼しない

産業廃棄物を収集している事業者の中には、悪徳業者もあります。悪徳業者の場合、不法投棄など正規の処分にのっとらないやり方をしている可能性が高くなっています。もし不法投棄を行う産業廃棄物処理業者に依頼すると、自分たちもペナルティの対象になってしまいます。法律にのっとった手続きで事業を営んでいる業者かどうか、慎重に調べてから依頼することです。

さいたま市の業務用のごみ回収についてのまとめ

さいたま市で事業を営んでいて、ごみが出た場合、家庭と異なる方法で処分しなければなりません。またごみの種類によって、処分方法も変わってきます。民間の許可を受けている業者に処分を依頼することも可能ですが、自分たちが出そうと思っているごみの品目に対応した業者にお願いする必要があります。ここで紹介したやり方を参考にして、適切な方法でごみ処分を進めてください。